精一杯生きようとする生き残った者たちに勇気づけられる作品
■作品名はだしのゲン
■監督
真崎守
■主演
宮崎一成
■DVD販売元
ジェネオン エンタテインメント
■おすすめの理由
原子力爆弾投下。太平洋戦争での悲劇の一つを知らしめる、反戦映画の傑作です。
戦時中、貧しいながらも助け合い生きていた一つの家族。そういった人々に原爆はどれだけの被害、悲劇をもたらしたのか、まざまざとつきつけられます。一瞬の光と爆発が起こした悪魔のような所業。目がとびでたまま、半身が溶けたまま歩く人々、赤ちゃんを抱いた焼け焦げた死体。アニメとはいえ観るに堪えない悲惨なシーンが描かれます。これらが全て現実に起きたことかと思うと想像に堪えません。
そんな悲劇を見つめる主人公ゲン。まだ少年であるにもかかわらず、真っ直ぐにしっかりと現実を受け止めている姿が印象的です。何かのせいにするとか誰かを責めるとかそんな事をせず、生き残った者たち精一杯生きようとする。その姿に勇気づけられます。比べものにはならないけれど、ならないからこそ、現代社会で悩み傷つく子供たちにも見習ってもらいたいです。
アニメであり主人公のゲンがまだ少年でもあることから、子供にも観やすいかと思います。親子で観て、深く語り合っていただきたい一作です。