芸術性が高く欧米とは大きく異なる作風の旧ソ連映画

■作品名
ノスタルジア (Nostalghia)

■監督
アンドレイ・タルコフスキー

■主演
オレーグ・ヤンコフスキー

■DVD販売元

パイオニアLDC

■あらすじ

心臓病で余命僅かのロシア人作家アンドレイは通訳の女性エウジェニアとイタリア・トスカーナを訪れる。彼はそこで幼少期に暮らした懐かしい我が家を幻に見る。

そこには彼の元妻とエウジェニアとトスカーナの寺院で見た聖母の肖像が重なって見えた。

旅の最後に訪れた温泉場で彼は精神を病んだ老人と出会う。老人は町の涸れ温泉に火の付いた蝋燭を並べ端から端まで火を消さずに渡りきれば世界は救われる、とアンドレイに言う。

老人はローマを訪れ広場で三日三晩演説をした後焼身自殺した。アンドレイは涸れ温泉を訪れそして……。

■おすすめの理由

私達が普通映画を観る、といった時イメージするのはまずハリウッドと日本映画で次に西欧、中華圏、韓国ではないでしょうか。

その他インドやイランは映画大国として有名ですし、本作のロシア・東欧圏も優れた映画が多く作られてきました。

特にモスフィルム・レンフィルムを中心とした旧ソ連は、芸術性が高く欧米とは大きく異なる作風の良作を多く制作してきました。

ただ地上波放送でもレンタル店でもそれ程見かけず、ほぼ衛星放送でしか観る機会がないこともあり、この様な映画の存在自体をご存じない方もいらっしゃると思います。

普段ハリウッドか日本映画のみの方が、もし初めてこの様な映画をご覧になる場合、新鮮な衝撃があると思います。

私個人はタルコフスキー氏の『鏡』を観て深い感銘を受け、ソ連映画にのめり込んだ時期があります。

中でもタルコフスキー作品は叙情的かつ幻想的な自然描写、故郷への深い郷愁、対象を象徴するイメージ連鎖の面白さ、重い長回し撮影に特色があります。

とりわけ本作は難解なイメージがある氏の作品の内、晩年の最高傑作であること、ストーリーが分かりやすいこと、映像の美しさが際立つことで、興味をお持ちの方にお勧めです。

ハリウッド作品の様に起承転結、原因と結果が明瞭ではないので、ストーリーを追うよりも現実・夢・幻が入り混じる美しいイメージの奔流に身をまかせ、観るというよりも感じるのが鑑賞のコツです。

特にエンディングは映画史上最も美しいラストシーンの一つと言われ見所です。



※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。