大学生の就職活動/就職活動事例

今年LINEが多くの就職未内定者を救っている理由(2ページ目)

今や若者のコミュニケーションにおいて最も使われているアプリと言っても過言ではないLINE。そのLINEが就活の在り方を変えようとしている。今回はある就職未内定者だった現役就職活動生のエピソードを元に、今年LINEが学生の就活にどのような影響を与えてきたのかを探る!

小寺 良二

執筆者:小寺 良二

ライフキャリアガイド


LINEは就活を孤独な個人での活動からチーム活動に変えた

LINEが最も就活生にとって嬉しい場になるのは、内定報告の時だ。私は合宿参加者から内定報告をもらった時は、それを全体に共有するようにしていた。そうするとLINE上で「おめでとう!本当に良かったね!」、「やっぱり○○にはその会社が合うと思った!」などのお祝いコメントがたくさん飛び交った。内定した本人にとっては嬉しさは倍増したことだろう。

その内定報告に毎回誰よりも早く反応しお祝いコメントを投稿してくれた学生がいた。「かんちゃん」だ。彼は自分がまだ内定していないことなど関係なく、
メンバーの誰かが内定すると自分のことの様に喜びを表していた。

いつも仲間のことを想い人のために行動していた「かんちゃん」

いつも仲間のことを想い人のために行動していた「かんちゃん」

そんな仲間想いのかんちゃんだが自分の就活はどうかと言うと、決して順調とは言えなかった。第一志望の機械メーカーはすべて不合格になり、5月から中堅中小企業に視野を向け始めたが、なかなか選考に進めない。不器用さが影響しているのか、彼の純粋で仲間想いの良い面が、企業にはなかなか伝わらないことに私を含めてメンバーも悔しい想いでいた。


そんな中、彼は回りの仲間から同じ様なコメントをもらう。


「かんちゃん、福祉業界とか合うんじゃない?」
「人を支える仕事がいいんじゃないか?」



他人をサポートすることにおいては誰にも負けないかんちゃんらしい道だ。
そして彼は大学の先輩が働いている「訪問入浴」で業界トップの介護関連の会社の説明会に参加した。

社長自らが参加したその説明会で、彼は就活で初めて自分のやりたい仕事を見つけた。

その想いを採用担当者と人事部長にぶつけて、なんと1次、そして2次面接を合格した。彼は就活で初めて社長との「最終面接」に挑むことになった。

私は彼から依頼を受けて最終面接直前に都内のカフェで面談をしたが、あえて具体的な最終面接のアドバイスはしなかった。なぜなら彼にとって今後の人生で最も大切なことを学ぶチャンスだったからだ


私が伝えたことは1つ。

「仲間のことを信じて、仲間を頼ってごらん。
人を助けることだけじゃなくて、助けてもらうことも生きてく上で大事なことだよ。」


そしてその日の夜、彼はLINEの全体グループに初めて自ら「お願い」をした。

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