ウディ・アレンの哲学を表現した作品
■作品名ハンナとその姉妹
■監督
ウディ・アレン
■主演
ウディ・アレン、ミア・ファロー
■DVD販売元
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
■おすすめの理由
ある一年の感謝祭から映画が始まり、その一年を描いています。ニューヨークに住むハンナとその姉妹、夫、元夫達が繰り広げる恋愛群像劇です。
ありふれた惚れた、振られたを扱った恋愛物語ですが、その中で人生や死という深いテーマを扱い、ウディ・アレンの哲学を表現した作品です。昼ドラのようにチープになりかねない恋愛劇を、コメディとして重すぎず軽すぎず描き、物語に奥行きを与えています。
私が好きなシーンは物語の最後の方で、死というテーマに取り付かれたウディ・アレンが「神はいなくても、人生は生きて死ぬだけだ。人生を楽しめばいいんだよ。暗い人生を送ることはやめて、命の続く限り楽しむんだ。」と語るシーンです。
恋愛の中で錯綜した人間関係や死への恐怖に取り付かれた主人公(ウディ・アレン)を散々皮肉たっぷりにおかしく描きながらも、何か吹っ切れたようなラストに、映画を見終わった後は、どことなく心に余韻が残こります。
またこの映画で描かれるニューヨークは美しく、それもまた映画の一つの見所です。