失踪していたトラヴィスが妻を探す旅に出かける、ロードムービーの金字塔
■作品名パリ、テキサス
■監督
ヴィム・ヴェンダース
■主演
ハリー・ディーン・スタントン
■DVD/Blu-ray発売元
ジェネオン・ユニバーサル
■おすすめの理由
「パリ、テキサス」は1984年に製作されたヴィム・ヴェンダース監督の西ドイツ・フランス合作映画。同年のカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した、ヴェンダース作品の代表作です。
■あらすじ
タイトルのパリとはフランスのパリではなく、テキサス州の街、パリのこと。主人公のトラヴィス(ハリー・ディーン・スタントン)が帰ろうとしていた場所です。記憶喪失になり失踪していたトラヴィスが、ふとしたきっかけで弟と再会。そして弟に預けていた息子と4年ぶりに会います。そして、離れて暮らす妻から息子あてに送金があることを知り、妻を探す旅に出かけるのです。
恋愛映画として紹介していますが、ロードムービーの金字塔として有名な作品です。しかし、私が一番印象に残っているのが妻・ジェーン(ナスターシャ・キンスキー)との再会です。ジェーンを演じるナスターシャ・キンスキーはピンクの洋服にブロンドといういでたちで登場します。しかも念願の再会はマジックミラー越し、という特殊なシチュエーション。そのインパクトは強く、ずいぶん前に観た映画ですがはっきりと覚えています。トラヴィスの過剰な愛により二人が一緒に暮らせないということを感じる切ないシーンです。
そして、もう一つのテーマ、親子の関わりもこの映画の重要なポイントです。久しぶりに再会した親子は最初はぎくしゃくしながらやがて心を通わせ始めます。どんなダメな父親でもやはり血のつながりという絆の強さを感じさせられます。
ちょっと切ない気持ちになりますが、家族や男女の愛について考えさせられる作品だと思います。