台湾に行く前に、読んで学んでおきたい一冊
■書名台湾紀行
■おすすめポイント
『台湾紀行』は、司馬遼太郎による長大な紀行文集『街道をゆく』の第40巻にあたる作品です。直木賞受賞作家の文学的視点からの紀行文では、広い視野から台湾という国が見つめられ、とても読み応えがあります。
「国家とはなにか」で始まる作品は、幾分硬さを感じさせられますが、台湾に行く前に、その国の歴史や生い立ちを学んでおくことは意義深いことです。台湾という国は、大陸の中国や日本と微妙な関係をもちながら、一つの国家として成り立っているのです。
司馬遼太郎が、台湾の街道を歩きながら見たもの、出会った人々を通して感じたことが、文学者の目を通して丁寧に語られます。台湾で出会う人たちは、過去からの歴史や文化を引継ぎながら生活をしています。その社会の中に入っていけば、価値観ががらりと変わることがあり、学ぶべきことも多くあるものです。
観光ガイド的な部分には乏しいですが、台湾旅行で学ぶべきことをより多くするために、大きな役割を果たす一冊となることは間違いありません。
■台湾紀行
著者:司馬遼太郎
出版社:朝日文庫
発売日:1997年5月15日
定価:600円
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