今も残る18~19世紀の初頭の集合住宅

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カラフルなドアが並ぶアイルランド独自のジョージアンハウス

18世紀にイギリスで集合住宅の基礎として普及したジョージアンハウス。その名前は、同時期がジョージ1~4世の治世だったことに由来します。

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作家などの著名人もジョージアンハウスに住んだ

「イギリスの建築様式がなぜアイルランドに?」と思われるかもしれませんが、この時期には多くの外国人の建築家が招かれてダブリンの道などが整備され、ジョージアンスタイルの建物もアイルランドに入ってきたといわれています。

アイルランドのジョージアンハウスのポイントはなんと言ってもそのカラフルなドア。ドアに彩色をほどこした理由としてはいろいろな話がありますが、中には酔っぱらって帰った時に自分の家のドアを間違わないように思い思いの色を塗った、というようなお酒好きなアイルランド人らしい説まであります。

 

アイルランドで美しいジョージアンハウスが見れる場所

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リムリックのザ・クレセントにあるユニークなジョージアンハウス

ここではアイルランドで美しいジョージアンハウスが見られるエリアをご紹介します。

■ダブリン/メリオンスクエア、フィッツウィリアムスクエア
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オスカーワイルドの家に付けられたプレート

ダブリンにはいろいろな場所に今もジョージアンハウスが残っているのですが、中でも美しいものが残っていることで有名なのがメリオンスクエアとフィッツウィリアムスクエアの2つ。メリオンスクエアには作家のオスカー・ワイルドやイエーツも住み、彼らが住んだ家には名前の入ったプレートが付けられているので見つけるのも簡単です。

オスカーワイルドの住んだ家は、メリオンスクエアにある公園に面しており、公園内には彼のユニークな銅像があるのですが、公園の角にある銅像がちょうど彼の住んでいたジョージアンハウスの方角を向くようにあり、なんだか面白いなと思います。

 

■リムリック/ザ・クレセント、ペリースクエアなど
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中央の広場から見たザ・クレセント

当時の趣を残した、アイルランドでもっとも美しいといわれるジョージアンハウスが残っているのがリムリック。ピープルズパークに面するようにあるペリースクエアのものはかなり有名。

ガイドが個人的により興味深く感じたのは、ジョージアンハウス同士が向かい合い、その中央のオーバル型の広場にダニエル・オコンネルの像があるザ・クレセントのもの。ジョージアンハウスを建築した建築家が中央の広場のアイデアありきで建てたそうで、広場に沿ってジョージアンハウスがゆるやかな弧を描くように建っている様はなかなか個性的です。

ダブリンなどの都市部では四角い広場に沿うように真っすぐに立てられたジョージアンハウスが多いのですが、リムリックのように円形などの広場に沿う形で建てられたものはイギリスのバースでも見ることができ、そのエリアを中心に街が形成されているアイデアはその後の都市計画にも影響を与えたそうです。当時の進歩的なアイデアがリムリックという街で形になって今も残っているのが面白いと思いませんか? ちなみに、こちらのザ・クレセントのジョージアンハウスはリムリックでもいまだに人気物件で賃料はかなり高額ともいわれています。

注目したいそのほかのポイント

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ジョージアンハウス見物の際にはディテールにも注目したい

ジョージアンハウスの見物の際には、カラフルなドア以外にも注目したいポイントがあります。遠くから見ると、同じ形の物件がずらりと並び、ある意味日本の建て売り住宅のようにも見えるジョージアンハウスですが、実はドア上の扇形のガラス部分やバルコニーのデザインなどがそれぞれ異なるディテールになっています。こんな部分にも注目してみると、アイルランドのジョージアンハウス見物がより楽しめると思います。


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