人が投資で失敗する理由
投資で成功する人が多くないのはなぜでしょうか?投資がむずかしいから?いえ、それは違います。基本を知っていれば投資はカンタンです。それなのに、人が投資で失敗するのは、人の心が弱いからです。下がる時の恐怖心、上がる時の強欲。この動揺を抑えられずに人は投資で失敗します。
本当ならば買っていく暴落局面で、怖くなって売ってしまう。もっともっと儲けようと欲をかき、本来なら投資してはいけないお金までつぎ込んで、自分の許容範囲を超えた投資をしてしまう。いずれも、自分の感情を制御できないから陥ってしまう失敗なのです。
人は、自分の感情をコントロールする必要があります。そのためには、ある仕掛けが必須です。
自分の感情をコントロールする方法
ほとんどの人が感情をコントロールできないのは、お金を増やさなければならない理由をはっきりと知らないからなのです。もちろん、漠然とは知っています。しかし、具体的に数字で把握しなければ、感情はコントロールできません。具体的にとは、いつまでにいくらのお金がないと人生が行き詰まるかを知ることです。そして、お金が足りないと、人生の末路がどんな悲惨なことになるかを直視することです。見通しのない人生は、冬山の怖さを知らずにエベレストに挑戦するようなものです。
目を背けてはならないお金の必要性
経済的な困窮がいろいろな事件として報道されても、他人事だと思ってリスクを甘く見ていることはないですか。たとえば、十分なお金がなくて子どもを進学させられない、必要な医療や介護を受けることができない、家族関係が崩壊してしまう、老後の不安が高じて体調を壊してしまうといった悲劇が毎日起きています。悲劇が起きるのは、お金の不安に対して適切な手を打ってこなかったからです。もし、20年や30年早くそのことに気づいて真っ当な対策をしてきたら、改善しない問題などないと断言できます。
人生におけるお金の必要性を、はっきりと直視するために、ライフプランを立てるべきなのです。プランを立てたら、それをお金のプラン(キャッシュフロープラン)に置き換えて、リスクを認識してください。
お金が足りなくなる未来を正確に知れば、お金を増やさねばならない差し迫った事情が飲み込めて、自分の感情をコントロールできる強い動機が心の中に作られるはずです。逆に、夢を実現するために、投資を真剣にできるという人もいます。いずれにしても、必要なのは、お金を増やすニーズをはっきりと知ることです。
知っておきたい人生の必要収益率
ライフプランを作るには、いろいろな方法があります。プロのファイナンシャル・プランナーに相談してもいいし、保険代理店のライフプランナーに相談することもできます。公開されているライフプラン作成ツールで自作するのも悪くありません。
たとえば、こんなソフトがインターネット上には公開されています。
ライフプランシュミレーションソフト
ライフプランをキャッシュフロープランに置き換えて得られる成果は、人生の必要収益率です。今持っている資産と将来に向けて投資できるお金の合計を、いつまでにいくらに増やさないと人生が赤字になってしまうかという損益分岐点を示すのが、必要収益率のコンセプトです。
人生の必要収益率の求め方は、「投資で重要な、自分の人生で必要な収益率の出し方」に詳しく書いてありますので、ご参照ください。