理学療法士国家試験の問題科目について
問題の範囲とその傾向を知る事。「敵を知り、己を知れば100戦危うからず」果たしてその傾向は?
一般問題
- 解剖学
- 生理学
- 運動学
- 病理学概論
- 臨床心理学
- リハビリテーション医学(リハビリテーション概論を含む)
- 臨床医学大要(人間発達学を含む)及び理学療法
- 運動学
- 臨床心理学
- リハビリテーション医学
- 臨床医学大要(人間発達学を含む)及び理学療法
選択肢の変化について
10年以上前までは、五者択一の問題がほとんどでしたが、最近では五者択二の問題が増えてきています。過去の問題では、複数の答えがある問題であっても、記号で事前に選択肢をひとつにしてくれていました。こういったものが、最近では選択肢を増やす形で出題されるのです。過去の問題で例を挙げてみましょう。
問題例1: 第34回(1999年)
骨格筋の特徴で正しいのはどれか。
ア.ミオグロビン含有量により色が異なる。
イ.内臓筋に比べて電気刺激閾値が高い。
ウ.自律性をもつ。
エ.内臓筋に比べて疲労しにくい。
オ.支配神経の性質により筋線維タイプが決まる。
1.ア、イ 2.ア、オ 3.イ、ウ 4.ウ、エ 5.エ、オ
この問題、正しいものを選ぶのですが、正しいものが2つあります。しかし、出題の時点で選択肢の括りを五択にしてくれており、選択肢は絞られた状態です。問題の答えはア、オが正しいので、この場合、選択する答えは「2」となります。これが、近年の問題だと以下のようになります。
問題例2: 骨格筋の特徴で正しいのはどれか。2つえらべ。
- ミオグロビン含有量により色が異なる。
- 内臓筋に比べて電気刺激閾値が高い。
- 自律性をもつ。
- 内臓筋に比べて疲労しにくい。
- 支配神経の性質により筋線維タイプが決まる。
同じように2つの答えを選ぶのですが、選択肢の括りがなくなった事で、以下のように選択肢は先ほどの5択から、組み合わせ数10択の問題に様変わりします。
問題例1の選択肢: 【1】【2】【3】【4】【5】
問題例2の選択肢: 【1,2】【1,3】【1,4】【1,5】【2,3】【2,4】【2,5】【3,4】【3,5】【4,5】
これは、正解の選択肢を増やすことで、より正しい選択を思案し正答できるか? なんとなくこれではないか? という、運に頼った正解を減らそう。という難易度の変化が出てきた事例だと考えられます。