マウントアダプター用交換レンズの探し方
手元に銀塩カメラ用交換レンズがなくても心配はありません。世の中にはまだ膨大な数の銀塩カメラ用交換レンズがあります。中古カメラを扱っているカメラショップから、多分1万円以下で購入できるでしょう。ショップによっては中古でも保証付きの交換レンズもあるので初心者の方も安心です。また、レンズと同時にマウントアダプターを購入できるかもしれません。
さらにネットオークションを利用する方法もあります。オークションは個人売買なので、ショップで買うよりも安価な値付けでレンズが出品されています。レンズ前面に多少キズがあっても写りに支障はありません。絞りとピントリングが正常ならよしとします。もともと銀塩用レンズは設計が古く最高のコンディションでも現代の交換レンズには性能面ではかないません。出品されているレンズの画像や出品者の評価などを参考に試しに数千円のレンズを落札してみてはいかがでしょう。
ボケがキレイな狙い目のレンズは、ずばり標準レンズです。焦点距離は50mmか55mmで、開放絞り値はF1.8、F1.4などです。マイクロフォーサーズに装着すると100mm中望遠となり、ポートレートに最適です。35mmや40mmのレンズもオススメです。
銀塩用交換レンズ50mmF1.8をパナソニック『LUMIX G3』に装着して撮影した画像。柔らかい描写で背景もキレイにボケている。
トイカメラ感覚で使えるCマウントレンズ
それでも中古のレンズには抵抗がある人に試してもらいたいのが、Cマウントレンズです。Cマウントとは古くは映画用のカメラに使われていた規格のマウントで、現在では監視カメラや工業用の検査カメラなどに使われています。デジタル一眼レフに装着してもピントが合わないので見過ごされていましたが、ミラーレスに装着するとちょうどいいということが判明して、世界的に注目された交換レンズです。このレンズを使うにはCマウントアダプターをカメラボディーに付けて、レンズをねじ込むだけです。
Cマウントレンズは小型軽量、安価で、開放絞り値が明るいと、通常の交換レンズの常識が通用しない。
映画の撮影用に作られたオールドレンズは大人気で値上がりしてしまいましたが、監視カメラ用のレンズなら新品が1万円以下で手に入ります。マウントアダアプターとセットで約6000円で販売されている製品もあります。もともと小さなセンサー用の交換レンズなので、マイクロフォーサーズに装着しても四隅がけられて暗くなることがあります。また、ボケがぐるぐるの円状になったり、逆光に極端に弱く白く霧がかかったようなフレアが出ることがあります。これらの現象は現代の高性能レンズではおこない現象で、わざわざデジタルフィルターで再現しています。Cマウントのレンズを使えば、このような味わいのある効果が簡単に得られるようになります。
25mmF1.4を使って撮影。接写ではピントの合う範囲が極端に狭くなるので、スイーツや小物を撮るのにも適している。
マイクロフォーサーズのセンサーをカバーできないレンズが多いため、四隅が暗くなっている。これを周辺光量落ちと呼ぶ。トイカメラで起きる現象だ。