クロアチア/クロアチア基本情報

クロアチア・南部ダルマチア地方(3ページ目)

青くどこまでも澄み渡る美しい空とアドリア海、オレンジ色の屋根の家々、何百年もタイムスリップしたような錯覚に陥る石畳の細い路地……多くの人が持っているクロアチアのイメージは、ダルマチア地方といえるでしょう。今回は「アドリア海の真珠」と称される世界遺産の街ドゥブロヴニクも位置する南部ダルマチア地方をご紹介します。

小坂井 真美

執筆者:小坂井 真美

クロアチアガイド

伝説の足跡が残る
ムリェト島

ムリェト島

緑に覆われた美しい島「ムリェト島」 (C) Croatian national tourist board.  Author : Damir Fabijanic

ドゥブロヴニクの約30キロの沖合いに浮かぶ、深い緑に覆われた美しい島。周辺の海はどこまでも青く澄みわたり、ほぼ手つかずの大自然が残るこの島にはたくさんの動物や植物が生息しています。クロアチア国内のみならず、地中海を含めたこの一帯の海で最も美しい島の一つだと言われており、島の西側の約3分の1が国立公園に指定されています。

島の一番の見所は「ベリコイェゼロ(大きな湖)」と「マロイェゼロ(小さな湖)」と呼ばれる大小2つの塩水の湖と、湖の小島(聖マリア島)に30世紀に建てられた修道院。また島には古代ローマ時代の遺跡も残っており、古くから人が生活していたことが伺えます。そんなムリェト島にはいくつかの興味深い伝説が残っています。

ひとつ目はギリシャ神話の英雄であり、ホメロスの叙事詩「オデュッセイア」の主人公でもあるオデュッセウスにまつわる伝説。オデュッセウスが立ち寄ったカリプソ島は、このムリェト島だったと言われています。もうひとつは新約聖書にでてくる使徒パウロの伝説。パウロはローマを目指して航海している途中、嵐に襲われてアドリア海を14日間漂流しますが、その後ある島にたどり着きます。その島はマルタ島だという説もありますが、一方でムリェト島こそがその島だという説もあるのです。深い緑に覆われた島、それを取り囲む青の湖とアドリア海が織り成す神秘的な自然のコントラスト。オデュッセウスや使途パウロも見たかもしれない美しいムリェト島の光景を眺めながら、伝説に思いを馳せてはいかがでしょうか。

塩田と牡蠣の町
ストン

ストン

塩田が広がる街「ストン」      (C)Croatian national tourist board. Author : Sergio Gobbo

ドゥブロヴニクからバスで約1時間、アドリア海に突き出たペリシャツ半島の付け根に位置し、静かな青い海が広がる町。古くから人が定住しており、古代ローマ時代の城壁など歴史的遺産が残っています。ストンの名物といえば牡蠣、ムール貝などのシーフード、そして塩。特にストンでの塩作りは古代ローマ時代から行われており、現代でも天日による塩の生産が受け継がれています。晴れた日は塩田が太陽の光を受けキラキラと輝き、青い空を映し出す光景が広がります。

 

青の洞窟へのアクセス
ヴィス島

ヴィス島は人が生活している島の中ではクロアチア本土から最も離れ島で、オリーブ畑やブドウ畑が広がる、のどかで美しい島です。「緑の洞窟」があるラヴニク島や、人気の「青の洞窟」があるビシェボ島へのエクスカーションの船は、この島からも出ています。
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