ブラジルの国際空港
ブラジルで国際便が最も多く発着しているのは、サンパウロ州のグアルーリョス国際空港(GRU)。ブラジルの窓口となっています。
また、リオ・デ・ジャネイロのガレオン国際空港を始め、ブラジリア、レシフェなどにも欧米及び中南米諸国をつなぐ国際空港があります。ただし本数はそれほど多くないため、今回はサンパウロから入国することを前提にお話ししますね。
ブラジルと日本を結ぶ直行便は現在就航していないので、経由地別に見て行きましょう。
<目次>
最もポピュラーな米国経由
アメリカ系の航空会社では、デルタ航空、ユナイテッド航空、アメリカン航空が、デトロイト、ニューヨーク、シカゴ、ワシントンDC、ダラス、マイアミ、ヒューストン、ニューアーク、ロサンゼルスといった都市とサンパウロを結んでいます。日本からだと、通常成田からこれら米国の都市へ一旦飛び、乗り継ぐことになります。
また、南米系の航空会社としては、LATAM(ラタム)航空があります。これは、2012年にブラジルのTAM航空とチリのLAN航空が合併して誕生した航空会社です。TAM航空、LAN航空は、それぞれの国を代表する品質で知られていましたが、合併後は残念ながらフライト直前にキャンセルが行われる、顧客への十分なフォローや払い戻しがされない、マイルが使えないなどトラブルが続いており、2019年現在も、他の航空会社が窓口になっている場合以外の利用はお勧めしません。
国内便を国際便と別で購入する場合は、LATAM航空以外にも、格安航空会社のGOL(ゴル)航空やAZUL(アズール)航空などのオプションがあります。ガイドのオススメは、出発時間を遵守することで知られるAZUL航空です。LATAM航空は時間の余裕がある場合以外は、避けた方が賢明です。
なお、ブラジルのTAM航空は、2014年度の第2四半期にスターアライアンスを脱退し、LATAMとしてワンワールドに加盟しています。
■アメリカ経由の利点
発着便が多いことと、比較的安価なチケットが取りやすいこと。また、飛行時間が他の経由地に比べ短いこと。さらに大型アライアンスに加盟している航空会社が多いため、マイルを貯める/使う際に便利かもしれません。ANA+ユナイテッド(スターアライアンス)やJAL+アメリカン/LATAM(ワンワールド)といった日本の航空会社との提携サービスを受けることもできます。
■アメリカ経由の不便な点
乗り継ぎにも関わらず、通常、入国審査や荷物を乗せ直す必要があることです(全旅程アメリカン航空のダラス乗り換え便は、荷物の載せ替えが不要だそうです。)
また乗り継ぎまでの時間が相当長い路線もあります。その際は、思い切って空港外へ出てしまったり、ホテルのデイユースやシャワー、マッサージを利用したりするなど、逆に待ち時間を活用できるといいですね。到着時間や市内への距離、空港施設を予め調べておいてはいかがでしょうか。
また、空港ラウンジを利用できるとかなり楽になります。ビジネスだけではなく、プレミアムエコノミークラスでもラウンジを利用できる空港もあるので、ぜひチェックしてみてください。
なお、アメリカを経由する際は、アメリカ入国扱いとなるため、ESTA(電子渡航認証システム)の認証もしくはビザが必要です。申請忘れにご注意下さい。
スムーズな欧州経由
サンパウロは、オランダ、スペイン、イタリア、フランス、イギリス、ドイツ、スイス、ポルトガルなどの各国とも直行便でつながっています。日本からの便を考えると、お勧めはエールフランス(スカイチーム)のパリ経由、ルフトハンザ航空(スターアライアンス)のフランクフルト/ミュンヘン経由、ブリティッシュエアウェイズ(ワンワールド)のヒースロー経由。日本の航空会社との提携サービスもあります。
入国審査が不要なことや待ち時間が比較的短いこと、午前中に現地入りできる便があることから、出張者などにも好評です。
近年人気の中東経由
もう1つのオプションは、エミレーツ航空(ドバイ経由)、エティハド航空(アブダビ経由)、カタール航空(ドーハ経由)、ターキッシュ エアラインズ(イスタンブール経由)といった中東回り。こちらは、他の経由地に比べると多少飛行時間が長いものの、入国審査や荷物の乗せ変えなどがなくスムーズ。また、新しい航空機が多く、映画などエンターテイメントも充実している、空港ラウンジが素晴らしい、と好評です。特にエティハド航空は、子供連れの旅客の為に、アブダビ空港でのベビーカー貸し出しや、フライングナニー(機内のベビーシッター)が乗務するサービスも提供しています。格安航空券もあるので、検討の価値は十分にありますよ。ちなみに、エミレーツ航空及びエティハド航空は、三大アライアンス(スターアライアンス、ワンワールド、スカイチーム)のマイレッジプログラムに参加していません。ただし、個別の提携があり、エティハド航空及びカタール航空でANAマイルが、エミレーツ航空でJALマイルの加算が可能です。
ターキッシュ エアラインズはスターアライアンス、カタール航空は、2013年10月31日、ワンワールド・アライアンスに正式加盟しています。
優先事項を整理して路線を選ぼう
時差の関係で日本からブラジルへ向かうと1日後に、ブラジルから日本へ向かうと、2日後に到着します。乗り継ぎなども入れると移動だけで30時間以上というケースも珍しくありません。しかも、現地(サンパウロ)との時差も通常12時間と昼夜が逆になります。つまり体力的にも金銭的にも要求の大きい路線なのです。下記など参考にしながら、優先事項を整理した上で、ベストオプションを選んで下さいね。
■平均所用時間
- アメリカ経由:約26時間
- ヨーロッパ経由:約28時間
- 中東経由:約30時間
- アメリカ経由:アメリカン航空利用のダラス経由(約 往路4時間30分、復路3時間30分)
- ヨーロッパ経由:エアーフランス航空利用のパリ経由(約 往路6時間、復路2時間)
- 中東経由:カタール航空利用のドーハ経由(往復とも約3時間弱)
■平均チケット代金 シーズン/日程により変動
- アメリカ経由:エコノミー 18万円、ビジネス 75万円
- ヨーロッパ経由:エコノミー 22万円、 ビジネス 75~78万円
- 中東経由:エコノミー 17万円、ビジネス 78~80万円
■羽田便で行くには……
- JAL+エアーフランス航空利用 パリ経由
- ANA+ルフトハンザ航空利用 フランクフルト経由
- エミレーツ航空利用 ドバイ経由
- アメリカン航空利用 ニューヨーク経由
■検討事項例
- 体力的に無理をしたくない&日数の余裕がある→ニューヨーク、パリなど経由地に数泊する。
- 体力的に無理をしたくない&金銭的余裕がある→ビジネスクラスを利用する、ラウンジやホテルなど空港施設を利用する。
- ○時に着かなければいけない/○時まで出発できない→発着時間で選ぶ。
- 日本語、和食のサービスが受けたい→JAL/ANAとの提携便を選ぶ。
ブラジル入国ビザについて
ブラジル政府は、日本人観光客の受け入れを増やすため、ビザ免除に向けて段階的に取り組んできました。その一環として、2017年には、日本人観光客向けに電子査証(Eビザ)も導入されています。そして、ついに先月、3月18日付官報において「2019年6月17日から、日本、米国、カナダ及びオーストラリア国籍者等がブラジルに入国するに当たり、ブラジル短期滞在査証(ビザ)の取得を免除する」大統領令を公布しました。
在サンパウロ日本国総領事館のメールによると、大統領令の内容は下記の通りです。
「同大統領令によれば、有効なパスポートを所持する日本国籍者が、ブラジルに居住する意図を有さず、観光、商用、トランジット、芸術・スポーツ活動を目的としてブラジルに入国する場合には、ブラジル短期滞在査証の取得が免除されます。
滞在期間は、90日までの滞在を期限とし、最初の入国の日から数えて12ヶ月の間に180日を超えない範囲で90日の延長が可能としています。」
ビザ申請が不要になれば、ブラジル旅行のハードルがグッと下がるのではないでしょうか。
ただし、「日本国籍の方が海外へ渡航する際の査証については、渡航先国・渡航目的・滞在期間等によって査証の要否・種類が異なり、また、国によっては事前通告なしに手続きが変更される場合もありますので、詳細は日本国内にある各国の大使館・総領事館に確認し、最新の情報を入手してください」とのことです。
参考:外務省 海外安全ホームページ
時間の余裕を持って、確認してくださいね。
よいご旅行を!
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