1964年の東京五輪のメイン会場だった国立霞ヶ丘競技場を2019年までに大改修し、五輪スタジアムとして活用。競技の多くは有明、お台場などの東京湾岸エリアで行われます。晴海や豊洲といった東京ベイエリアの新築マンションのモデルルームは、前週に比べて来場件数が増加。五輪開催決定を受けて、一旦申し込みを保留していた人が、再度申込むといったケースもあったようです。
2020年の東京五輪に向けて、東京の開発スピードも加速していくでしょう。開催までの7年をふまえて、今後の注目エリアを考えてみましょう。
豊洲・晴海・有明に注目が集まるなら狙い目は、田町~品川
「東北縦貫線」開通を受けての品川駅~田町駅間の再開発に注目
2020年の東京五輪開催を受けて、今注目が集まっているのが晴海や豊洲といった東京湾岸エリアです。開催に向けての道路整備はもちろん、江東区が計画を検討している豊洲-住吉間の新線の開発なども検討されており、築地市場の移転をはじめ未利用地の開発なども急ピッチで進む可能性があります。街の整備が整いつつある豊洲地区のように、晴海・有明といったエリアも7年後には大きく変貌し魅力が増しているでしょう。
ガイドが今、注目したいのが品川~田町といった山手線のベイエリアゾーンのマンションです。理由の一つは、豊洲や晴海などとユーザーニーズが重複しやすく、五輪期待感で晴海や豊洲にユーザーが流れると、その分マンションが選びやすくなると思われるからです。
また、JR東日本が進める東京-上野間の新線「東北縦貫線」も注目するポイントです。来年度の開業を目指して建設中で(常磐線の柏駅や松戸駅からダイレクトに東京駅にアクセスできるようになる予定です)、この「東北縦貫線」完成をうけて、現在田町~品川間にある品川車両基地を縮小し、再開発を行う計画があります。田町駅東口での港区の公益施設建設など街の整備も着実に進んでいます。
五輪効果で高いのは、国際化
年間556万人の外国人観光客を1500万人に
東京都では、2020年に向けて様々な目標を掲げています。中でも注目なのが、現在(平成24年実績)年間556万人の外国人観光客を1500万人にすること。首都としては少ない国際的なコンベンションの回数をヨーロッパ並みに開催するといった目標も立てられています。五輪に向けてのPR効果も期待でき、羽田空港の国際便の増便や成田空港とのアクセス改善など、利便性向上も図られるでしょう。円安効果もあり、過去最大の訪日外国人数という現在のトレンド。、国際化はこれからの街のキーワードになるでしょう。
東京都23区の住民基本台帳(平成25年8月)による全住民に占める外国人の比率では、23区でトップは、新宿区の10.3%。港区が7.7%で2位になります。荒川区(7.4%)、豊島区(7.1%)、台東区(6.7%)となっており6位以下(千代田区が4.6%で6位)が5%を割っていることを考えると、港区は外国人居住の多い行政区と言えます。同区の外国人は、アメリカ人の比率が最も高く(平成24年1月1日。2位は中国)、様々な国の人が住んでいます。背景には諸外国の多くの大使館が港区にある要因です。今後国際化が進むとすれば、注目の行政区と言えるでしょう。品川駅は、リニア新幹線の始発としての計画もあり、国内へのアクセス向上も魅力です。
今後新興国が経済成長していくなか、航空需要の増加も見込まれています。大田区や品川区、川崎駅周辺など羽田空港へのアクセスが良い場所も今後さらに注目されるのではないでしょうか。
東京都では、2020年に向けて、防災力の向上や緑のネットワークの拡大、クリーンな都市環境の創出なども目標に掲げています。こうした取り組みが東京五輪開催決定を受け、東京だけでなく、首都圏や日本全国に拡がることにも期待したいと思います。