土地活用のノウハウ/空室対策・賃貸管理・老朽化

管理会社の選び方。様々な管理形態とその特徴

賃貸住宅経営を続ける限り、管理会社とはずっと付き合って行くことになります。そのため、管理会社選びは賃貸住宅経営における最も重要なポイントの一つといえます。「集金管理」「滞納保証」「家賃保証」の3つの管理形態にはそれぞれ特徴があります。賃貸住宅経営を成功させるためには、その管理形態をしっかりと理解し、ご自身のライフスタイルや物件に合った契約を結ぶ必要があります。

谷崎 憲一

執筆者:谷崎 憲一

土地活用ガイド

土地活用を成功させるためには、入居者ニーズを反映したプランや建築費、金融機関の金利などが重要な要素ですが、生涯つき合うことになる管理会社選びも非常に重要なポイントとなってきます。

ハード面とソフト面の2つの管理

管理会社は家主の代理として管理業務を行いますが、管理の対象は大きくわけて、建物や施設の維持・保守などの「ハード面」と、集金やクレーム対応などの「ソフト面」に分かれます。

建物や設備などハード面に対する管理業務としては、日常清掃、照明やポンプ、エレベーターなど設備の保守点検、消防施設点検など建物のメンテナンス等があります。日常清掃はだいたいゴミの収集日に合わせて、週に2、3回、規模によっては毎日行います。定期清掃は建物全体をきれいに保つためのもので、3~6ヶ月に1回です。

事業収支計画では、このハード管理の見込みを安く見ていたばかりに建物完成後のメンテナンスや清掃費用に予算が回らず、建物が荒れてくるという状況もありますので、十分な予算取りをお勧めします。

ソフト面についての管理業務は、家賃の集金の他、入居者の募集や契約、更新、クレーム対応、滞納の際の督促などです。

この両者は全く違うものです。両方をパッケージとして扱っているところもあれば、どちらか片方だけを扱っている管理会社もあります。両方扱っているところでも、ハード管理が得意な会社、ソフト管理が得意な会社があります。

2つのうち、特に重要なのはソフトの管理です。賃貸事業においては、入居者募集や契約、集金や滞納時の処理、空室対策をどう管理するかで顧客満足度や入居率、滞納などのトラブルのボリュームが違ってくるからです。

3つの管理形態のそれぞれの特徴

ソフト面についての管理形態には、大きく3種類あります。

1つ目は家賃の集金だけを請け負う「集金管理」です。賃料の滞納の督促も代行してくれますが、滞納や空室のリスクは家主さんが負うことになります。この場合の管理費用は賃料の3%程度です。

2つ目は滞納が出たときに、入居者に代わって家賃を代納してくれる「滞納保証」です。滞納保証付きの管理委託の場合、管理会社が審査した入居者が家賃を滞納した際に、その家賃を保証してくれます。ただし空室の保証はありません。この場合は賃料の5%程度となります。

3つ目は、空室・滞納の有無にかかわらず家賃を代納してくれる「家賃保証」です。家賃保証には更に、建物全体を家主から一括して借り受け、全ての管理業務を代行し、家主には建物全体の賃料を払う、サブリース契約もあります。サブリースとは「借上げ転貸(又貸し)」のことです。サブリース契約と家賃保証契約とは、近いようで若干違います。サブリースの場合、借上げし、約定賃料を家主さんに支払う転貸スタイルです。従って入居者に対する貸主は管理会社になります。「サブリース」「家賃保証」契約の場合、管理費用は賃料の10~15%程度となります。なお、サブリースには免責期間が設定されており、その期間、管理会社は保証の義務を免除されます。
それぞれの管理形態の特徴を良く理解しましょう

様々な管理形態とその内容

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