プリンター/プリンタの選び方

インクジェット、レーザー…プリンタの印刷方式の違い(2ページ目)

「プリンタ・複合機」ガイドサイトではA4インクジェットプリンタ・複合機を中心に取り扱っているが、一般的にはレーザー方式や熱転写方式など、さまざまな印刷方式がある。これらの方式の違いやそれぞれのメリット・デメリットについて紹介しよう。

安蔵 靖志

執筆者:安蔵 靖志

デジタル・家電ガイド

ビジネス用途に向くレーザー方式

レーザー方式は、レーザーを帯電させた感光体に照射することでトナー(顔料粉末)を転写し、熱や圧力によって定着させる方式のこと。レーザー光源のほかにLED(発光ダイオード)を用いるモデルもある。

レーザープリンタのメリットは、顔料系インクジェットプリンタと同様に「紙ににじまない」ことが挙げられる。グラフなど多くの色を用いるカラー文書を普通紙に印刷する場合でも、染料系インクジェットのように紙がふやけることはない。

印刷速度が速いのもレーザープリンタのメリットだ。キヤノンの「LBP7200C」の印刷速度はA4カラー、A4モノクロともに20ppm(1分あたりの印刷枚数。つまり1枚3秒)。キヤノン「MG8130」がA4カラーで約9.3ppm、A4モノクロで約12.5ppmなので、約2倍前後のスピードと思って差し支えない。

印刷コストはインクジェットプリンタに比べて若干高い。LBP7200CはA4 1ページあたりカラー約16円、モノクロ約3.1円程度だ。エプソン「LP-S510」はA4 1ページあたりカラー約18.6円、モノクロ約4.2円。モノクロに比べてカラーが割高なことがよく分かる。また、大型のトナーを備えるハイエンドモデルほどランニングコストは低い傾向にある。ただしトナー1つあたりの価格が高いため、交換時にかかる金額には注意したい。

熱によってトナーを定着させるため、消費電力が大きいのもデメリットだ。LBP7200Cの場合、動作時平均約405W以下、待機時約14.5W以下、スリープ時約4W以下。動作時は電子レンジに近い消費電力がかかると思えば分かりやすいだろう。

以前なら、カラーレーザープリンタは個人が手軽に買えるものではなかったが、最近では5万円前後から購入できる個人向けのモデルも増えている。消費電力の高さや写真印刷に向かないといったデメリットはあるが、用途によっては個人にも十分お薦めできる方式と言える。


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