最も一般的なインクジェット方式
一般消費者向けで最も一般的なのがインクジェット方式だ。圧力や熱によってインクを微粒子として射出するというもの。インクは液状のもの(染料系)と固体のもの(顔料系)がある。染料系は水性インクのようなもので、色を重ね合わせることで繊細な色表現ができる。ただし染料系は紙ににじみやすいのため、普通紙印刷に弱いのが特徴だ。このため写真などインクを多く使う印刷の場合、インクジェット専用紙や写真用紙などを使う必要がある。
顔料系は油絵の具のようなもののため、色の重ね合わせはできない。ただし染料系と違って紙ににじみにくく、後述のレーザープリンタと同様に普通紙印刷に強い。
一般的には「染料系は写真印刷に強い」「顔料系は文書印刷に強い」と言えるが、プロ向けの大型フォトプリンタでは超高画質の顔料系インク採用モデルもあり、一概には言い切れるものではない。ただし「顔料系ブラックインクは文書印刷に強い」ということだけは言い切れる。写真印刷だけでなく文書印刷にもこだわりたい人は、染料系ブラックインクと顔料系ブラックインクの印字の違いにも着目するといいだろう。
印刷コストは比較的低く、A4普通紙のカラー文書ではキヤノンのハイエンド複合機「MG8130」で約10.7円、ホームオフィスモデル「MX870」が約8.4円といったところだ。ちなみにL判写真(フチなし)の場合はMG8130で約19.2円(用紙合計コスト)、MX870で約16.7円。エプソン「EP-903A」はL判写真(フチなし)で約20.8円(用紙合計コスト)だ。
インクジェット方式は大きな熱を使うこともないため、消費電力は割と低め。MG8130でコピー時約24W(待機時約2W)、EP-903Aでコピー時約23W。
インクジェット方式は、個人で使う分にはやはり全体的なバランスが取れていると言えるのではないだろうか。