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昔話は、変わっていいの?(3ページ目)

昔話の結末が変わってきている。その事実をご存知でしたか? 特に今40代の方は、お子さん向けの絵本の結末が変わっていることにびっくりされているかもしれません。昔話は何を伝えるものなのか。教育的観点から、ちょっと考えてみませんか?

執筆者:青木 美惠子


悪いものは悪い、それは絶対に必要な教育

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子どもは怖いものが実は大好きです

ここ数年、アマゾンの絵本部門で一位になっている「地獄」という絵本があります。しつけ向けに購入するかたが、増えていると評判の絵本。30年以上前の初版作品で、絵には本当におどろおどろしく、地獄の様子が描かれています。

閻魔大王、餓鬼など、まさに「地獄絵」が描かれているこの絵本。本来「不適切な描写がある」どころの騒ぎではないと思われる絵本なのですが、主な読者は「はだしのゲン」のときに規制対象におかれた小学生よりも小さい子ども。家庭で親がその年齢の子どもに対し、読み聞かせることを目的として購入しています。

この絵本で語られているのは「悪は存在する、そしてそれらは処罰されるものである」という教え。古くから日本に伝わり、脈々とそれこそ口伝で伝えられたことがいまも、しっかりと語られているのです。

昔は同居している家庭が多く、「そんなことをするとお天道さまの下を歩けなくなるよ」などとおばあちゃんに言われて育った子どもは、たくさんいました。いつのまにか人は、柔らかいもの、ソフトなもの、心地いいものだけを手元に置き、それを継承していくようになりました。人によっては、この口伝えを体験せずに大人になるケースもあるかもしれません。

どれほど心地よさの中に子どもを置きたいと願っても、それが子どもの幸せを願ってのことだとしても、いずれ子どもは社会に出ていくのです。そのとき待っている現実は、はたして心地よく優しいものだけでしょうか?

悪いものは悪い、そして、それに対して社会はどのように対応を取るのか。そのためにはどう考え、どう感じどう生きていくべきなのか。昔話の訓示を活かし、それを自分の声で大切な子どもに伝えていくということ。もう一度、親として考えてみませんか?
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