シンガポール発展の歴史の一端を担った、
プラナカンの文化を学べるプラナカン博物館
コロニアルな雰囲気がただよう博物館の建物は、1912年に建てられた学校だったものを利用している
プラナカン博物館は、プラナカン文化のコレクションを集めた博物館。15世紀頃、マレー半島に渡ってきた中国系移民は現地の女性と結婚し、現地に根付いていくのですが、この混血の子孫をプラナカンと呼びます。プラナカンは中国やマレー、ヨーロッパの文化がミックスされた独自の文化を築き、貿易などによって得た富で華やかな生活をおくっていました。この博物館では、1890~1930年頃のプラナカンが栄えた時代にフューチャーをあてて、その文化や生活の様子を所蔵品とともに紹介しています。
1階では現在のプラナカンの子孫たちの写真を展示。プラナカンとは? という概要をまず解説してくれている
美術館や博物館、美術系の大学などがあり、街の中心地ながらアートな雰囲気を醸し出す、MRTドービーゴート周辺エリア。プラナカン博物館もこの一角にあります。白亜のコロニアルな博物館の建物は1912年に建てられた学校を利用。3階建ての建物内部は各階にそれぞれ展示フロアが設けられています。まず、入口に通って1階のフロアでは「私は誰?」というテーマのもと、現在のプラナカンを紹介。また、彼らの先祖の写真や儀式の貴重な写真も展示されています。
儀式の執り行われた部屋を再現。壕かな家具にも注目
2階フロアでは、結婚式をテーマにした展示などが見学できます。中国伝来の豪華な結婚式の衣装や装飾品、結婚式での食べ物や儀式を行なう部屋の様子などをみることができますよ。プラナカンの結婚式は、なんと12日間にも渡って行なわれていたそうです。子孫を残し家と家がつながり、よりその土地での礎を固めるための結婚は、プラナカンの一族にとっていかに重要な行事だったかということを今に伝えてくれます。
ビーズ刺繍の技術は目を見張るものばかり。大きなタペストリーなども展示されています
3階では、プラナカンの女性の文化を紹介。特に、ニョニャと呼ばれるプラナカンの女性たちが、花嫁になるために身につけるたしなみのひとつでもある、細やかなビーズ刺繍が施されたタペストリーやサンダル、小物類は一見の価値あり! ほとんど外に出ることがなく、家を守りながら暮らしていたニョニャ達の生活が垣間見られます。
ケバヤと呼ばれるプラナカンの衣装も展示されています。こちらも刺繍が美しい
他にもプラナカンの民族衣装ともいえる、ケバヤも展示されているので、こちらもぜひ見学してみてください。その他、プラナカンの宗教やお葬式、食べ物や宴のようす、カラフルなニョニャ・ウェアなども多数展示されていて、興味深い内容となっています。1時間ほどあればだいたい見学できますよ。
日本語によるリーフレットも用意されていますが、より詳しく見学したいという人は、1日1回10時半から開催されている日本語ツアーに参加してみてはいかがでしょうか? 約1時間のツアーですが、ボランティアの日本人ガイドさんがわかりやすく解説してくれます(参加費無料・チケット代は必要です)。ツアー開始10分前ぐらいにチケット販売カウンター前に集まっていれば当日でも参加が可能です。ボランティアによるガイドなので、当日ツアーが開催されるかどうかは事前に電話などで確認してください。
見学後はちょっと休憩。フローラルティー3.8シンガポールドル、パイナップルタルト4.5シンガポールドル
ミュージアム入口には、ニョニャ・ウエアなどの雑貨を販売する売店と、ちょっと休憩できる素敵なカフェスペースもありますので、こちらもぜひ、のぞいてみてくださいね。カフェスペースでは、プラナカンのお菓子をいただくこともできます。もちろん、お土産にお菓子やティーを購入することもできますよ。こちらは入館者以外も利用できます。
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■Peranakan museum
住所:39Armenian Street
電話:6332-7591(+65)
営業:10:00~19:00、金のみ10:00~21:00
休み:なし
料金:大人6シンガポールドル(アジア文明博物館との共通券は11シンガポールドル)
アクセス:MRTドービーゴートから徒歩約5分