テクノポップ/アーティストインタヴュー

中野テルヲ~Deep Architecture(3ページ目)

P-MODEL、LONG VACATIONを経て、ソロとして2011年に本格的に再始動された中野テルヲさん。オシレーターを駆使したサイン波を取り入れた独自のサウンド。最新作『Deep Architecture』についてお伺いしました。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

P-MODELのセルフカヴァー

ガイド:
もう一つのセルフカヴァーが、「サンパリーツ」。改めて、P-MODEL版(1986年アルバム『One Pattern』)と聴き比べてみました。オリジナルは少年少女合唱団の歌声も含め、軽い外連味が効いた仕上がりでしたが、今回のヴァージョンはより重厚にかつドラマチックになっていますね。

中野:
nakano

中野テルヲ

そうですね。1986年のP-MODEL版が単音のフレーズやシークエンスが微妙に絡み合って出来ていたのに対して、今回のアレンジはコード感を意識した厚みのある作りになっています。オリジナルで合唱団が歌っていたパートは、自分のボーカルとCDJでスクラッチするマシンボイスとの掛け合いになっています。中野ソロ流に今の感覚でアレンジするとこうなるといったところですが、サウンドこそ違えドラムのフレーズに関しては基本的に変わってないですね。

 

The Stalinのカヴァー

ガイド:
The Stalinの「ロマンチスト」のカヴァーは、完全に中野ヴァージョンとして生まれ変わっていますね。元が“どパンク”のこの曲、電子ダブになって、汗臭い部分が抜けているんですが、歌詞に違和感の無いです。この曲をダブにしようという発想はどのあたりから?

中野:
80年代にパンクロックがレゲエ・ダブに接近した、例えばThe Ruts、Killing Joke、Vivien Goldman、The Slits、The Pop Groupといったアーティストの作品が好きでその影響が大いにあると思います。ダブは自分の芸風の一つにもなっています。80年代のThe Stalinのライヴ会場で客の投げる火の点いた爆竹を目の前でよけながら聴いた「ロマンチスト」を今このようなカタチでカバー、収録できたことを嬉しく思います。

 

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