船堀の2大名物は
駅前のタワーに駅舎にも描かれた金魚
船堀といえば、まず思い出すのが江戸川区内唯一の映画館も入った複合施設タワーホール船堀でしょう。平成11年3月にオープンしたこの建物内にはホールや書店、楽器店などの商業施設、飲食店その他が入り、各種イベントなどにも幅広く利用されています。区の施設というと、お堅い施設ばかりが入っている雰囲気がありますが、ここはそうではなく、誰にでも楽しめる場所です。
特に多くの人に親しまれているのは、地上115mにある無料展望室。ここからは360度の風景が広がり、葛西臨海公園やお台場、東京タワーといった都心に加え、天気が良ければ房総半島や富士山までも見渡せるのだとか。エレベーターが9時半まで利用できるので、夜景もたっぷり楽しめます。
この街のもうひとつの名物が金魚です。船堀はかつて金魚の三大産地のひとつで、近隣に多くの養殖場があったそうで、それを記録するため、駅舎の北口、南口それぞれに金魚の絵が描かれています。また、よく見ると足元のタイルにも。現在は周辺に2カ所ほどが残っているだけですが、夏には金魚まつりが行われ、金魚すくいや即売会などが人気を集めているそうです。ちなみに昭和になってからのこの地は水田や池などが多かったため、食用ガエルの産地でもあったそうで、一之江境川親水公園近くにある法龍寺には食用ガエルを供養する碑が残されています。
駅周辺には商業施設に住宅、並木道、
少し離れると親水公園も
さて、では実際の街の様子を見ていきましょう。まず、タワーホール船堀のある北口。繁華なのは北側を新宿線と一部並行して走る新大橋通りまでで、この間に大型スーパーやファミレス、その他の店舗などが多く並んでいます。新大橋通りの西側エリア、東小松川は一部に小規模な工場が並ぶ一画があり、人通りはまばら。競艇場があるのもこのエリアです。また、以前、「『住みやすい街』ってそもそもどんな場所?」でご紹介した久寿餅屋さんがあるのはこのエリアです。
といっても住宅がないわけではなく、都営住宅やURなどの団地が多く、通りから1本入れば静かな住宅街。徒歩5分圏内で見ても住宅が多く、駅近い場所に住める街のようです。
それは北口側に限りません。なにしろ、南口で一番目につくのはロータリーを挟んで聳えるURの賃貸住宅船堀駅前トキタワーなのです。地上27階建ては江戸川区ではベスト5に入る高さで目立ちます。低層には商業施設などが入っています。また、南口側も駅周辺にはスーパーや大型ドラッグストアなどが並び、北口と合わせると駅から10分圏内に日常生活に必要な店舗は全部揃っているといえそう。さらに郵便局や勤労福祉会館、図書館、複数のクリニックなどもあります。
新宿線を南北に横切る船堀街道を南に向かうと新川が流れています。駅近くのこの街道沿いにはきれいな並木があり、その名も船堀グリーンロード。ところどころにはベンチもあり、気持ちの良い通りです。
新川沿いは散歩が楽しめるよう、遊歩道が整備されており、クラシカルな昔風の橋が架けられている場所も。川沿いは一戸建てが多く、全体にゆったりした雰囲気が漂います。
さらに、この新川から北に伸びているのが一之江境川親水公園。木陰の真ん中にせせらぎが流れる気持ちの良い場所で、ここも散策にはうってつけ。公園内には子どもが水遊びできるスポットも用意されています。また、公園沿いには寺社もあり、公園周辺は景観地区となっていることから、静かで交通量も少なく、住環境としてはかなり、お勧め。ただし、すでに住宅が建て込んでしまっているのが残念なところです。
続いて都営新宿線船堀駅の住宅事情を見て行きましょう。