社会保険労務士試験/社会保険労務士とは

合格後の社労士資格の活かし方【20代~30代前半】(2ページ目)

資格は試験に合格しただけで実際に使わなければ宝の持ち腐れになってしまいます。特に難関資格の社会保険労務士で、労働・社会保険関係の法律を猛勉強したのに、その知識を活かさないのは実にもったいない。そこで、合格者の年代・性別パターンによって、どのような資格の活かし方があるか、ご紹介したいと思います。今回は、20代から30代前半の方の場合です。

長友 秀樹

執筆者:長友 秀樹

社会保険労務士試験ガイド


求人が多くはないものの、社労士事務所への転職も可能

20代から30代前半の方であれば、年齢的に社労士事務所、または社労士法人への転職も選択肢として考えられます。

転職にあたっては、基本的に有資格者、業務経験者が優遇されますが、この年齢層の方であれば、未経験者でも採用されるチャンスがあります。資格についても、本人の経験、ポテンシャル等を評価されれば、試験に合格していなくても(もちろん資格取得の意欲があることが前提ですが)、採用されることがあります。

ただし、社労士事務所は概して小規模で、従業員を雇わず一人で活動している社労士も多いので、地域にもよりますが、求人数はそれほど多くはないようです。一方で、社労士法人は通常、比較的規模が大きくなりますし、正社員を募集するケースも多くなってきます。

社労士事務所の給与水準については、事務所の規模や本人の経験・ポテンシャルによりますが、未経験の正社員募集で年収300万円くらいからが多いでしょう。

税理士事務所などでの社労士採用も要チェック

あと、是非チェックしていただきたいのが、税理士事務所や税理士法人での採用です。

税理士事務所などでも仕事柄、クライアントから社労士業務の依頼を受けることがありますが、内部に社労士がいない場合は、外部の社労士に紹介することになります。

ですが、税理士事務所などによっては、自ら内部に社労士部門を創設し、クライアントに対して積極的に人事・労務業務に関する営業を展開するところもあります。このような税理士事務所などでは、規模拡大のため求人を活発に出しているケースがあります。

また、社労士事務所などと比べると、規模が大きいところが多いので、待遇面でも優っていることが多いのも大きな魅力です。もっともこの場合、経験者が優遇される傾向が強いので、未経験者にはハードルが高くなりますが、応募する価値は高いので是非ご検討下さい。

社労士事務所で業務経験を積む

このような社労士事務所などへの転職ですが、「業務未経験者で、資格取得後に即開業」を目指している方も、是非検討した方がよいと思います。

よく資格の本やWEBサイトなどで、「社労士の独立・開業は未経験でも可能」と言われています。確かに不可能ではありませんが、私の経験上は、やはり業務経験はあるに越したことはないと感じます。社労士事務所に勤めれば、業務経験だけでなく、事務所の営業手法や運営方法まで見ることができます。

従って、業務未経験者ですぐにでも開業したい方であっても、もしチャンスがあるならば、社労士事務所などで経験を積んでから開業する道を考えてみるとよいのではないでしょうか。
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