秋葉原まで17分、首都高も利用可。
都心に近い川の街
八潮市は埼玉県の東南部に位置し、東は三郷市、南は足立区、葛飾区、西と北は草加市に接する、面積約18平方キロのコンパクトな街です。市内には中川、綾瀬川、垳川、大場川、伝右川の一級河川に加え、葛西用水などいくつもの用水路が流れ、さらに大場川マリーナ、フラワーパークマリーナなども。川の多い街なのです。
この地に人が住み始めたのは、現在確認されている八條殿社古墳・氷川神社遺跡の五領式土器散布地などから推察するに、約1700年前の古墳時代頃。その後、江戸時代には20ほどの村が開発され、市内を流れる綾瀬川や中川の河岸には荷卸しのための河岸が設けられ、賑わいを見せていたといいます。また、下妻街道、千住往来などと呼ばれる市域を南北に縦貫する道は日光道中の脇往還として、物資の輸送路として繁栄、さまざまな店が軒を連ねてもいたようです。その後、大正年間には煉瓦の原材料である荒木田土に恵まれていたことから、煉瓦工場が進出したものの、関東大震災で建築資材としての耐震性が疑問視され、1970年代には閉鎖の憂き目に。しかし、高度経済成長による工場の進出、急激な人口増により、昭和47年には市制を施行するに至っています。
現在の八潮は首都高速の2つのインターに加え、2005年に開業したつくばエクスプレスが走り、秋葉原まで20分弱という都心通勤圏。実際、つくばエクスプレス誕生以降、人口は増加傾向にあり、特に30代を中心にした子育て世帯の増加が目立っています。
その子育て世帯を意識し、八潮市は2006年に「小中一貫教育特区」を申請、認定されており、現行の学習指導要領によらない、市独自の教育課程(教科や授業時間)を編成・実施してきました。その後、2008年からは市内全小中学校が「教育課程特例校」に指定され、これにより「えらべる科」「英語活動」「ふるさと科」など新たな教科が設置されています。独自教育に取り組む自治体というわけです。
では、実際の八潮駅周辺の様子を見てみましょう。この駅近くで最も早く、2006年に開業したのが北口のロータリーに面して建つ大規模商業施設フレスポ八潮。食品スーパーのカスミや各種専門店、医療モール、ボウリング場などが入っており、大型駐車場、駐輪場があることから周辺からの買い物客を集めています。
また、この建物と駅の間にあるマンションはやはり、この地で最初に建設された大型物件で、1階には市と図書館の出張所が入っています。そのほか、北口側にはビジネスホテルや賃貸マンション、飲食店などができており、このところ目立つのは医療施設の増加。これは北口側に限ったことでありませんが、人口増とともに必要とされてきていることが分かります。
南口側には駅前に大きな駐車場があり、その外側には商業施設、クリニックに賃貸物件などが点在するものの、いずれの側も少し駅から離れると、まだまだ造成中の土地が目立ちます。何もない場所にできた駅ですから、当然ですが、その分、駅から近いところに家を購入できる可能性がある街とも言えます。
駅周辺以外では中川沿い、大瀬運動公園近くにもマンションが並ぶ一画があり、現在もマンションが建設中。中川に臨む眺望の良さ、静けさが住宅適地と判断されているのでしょう。中川沿いには遊歩道、少し行くとフラワーパークなどもあり、散策にも楽しいです。
市役所その他市政の中心は駅からは少し離れたところにあり、駅からはバス利用で10分ほど。駅からのバス便は市役所のみならず、草加駅や北綾瀬駅その他多方面に出ており、2008年からは成田行きの高速バスも利用できるようになっています。