初めて出会う世界地図としてのポイント
さて、では実際に本を手にとってみるとどうでしょうか。大判で、見開き約31cm×54cmの色鮮やかな紙面。元々はイギリスで出版され、ベストセラーにもなった『WORLD ATLAS 世界をぼうけん! 地図の絵本』は、日本で主に使われる世界地図とは違い、中心にはヨーロッパやアフリカが配置され、日本は東の端に描かれています。
付録の世界地図。日本はどこかな?
各国上には、文化・世界遺産・動植物・盛んに行われているスポーツなどのイラストが書き込まれています。今存在しているものだけではなく、沈没したタイタニック号など、歴史的な事柄も盛り込まれており、細々と書き込まれたイラストを見ていくのには、宝探しのような楽しさがあります。
めくって読める簡単なしかけや、約44cm×75cmという大判の世界地図の付録があるのもうれしいですよね。
また、簡易的なものですが、目次・索引・ことばのリスト(用語解説)・参考にした本(全て洋書)の一覧があります。ルビも全てに付いているので、低学年の子どもたちにもおすすめです。
気をつけていただきたいのは、世界地図ではありますが、絵本という性質上地図に記載されていない国も若干あること。また、本格的に何かを調べようとするときには物足りなさを感じるかもしれません。
ただ、それ以上に子どもの好奇心を刺激し、「日本とそれ以外の国」ではなく「地球」という感覚を育てるのには、とても適した絵本です。