映画/口コミでおすすめの文芸映画(邦画)

美しい旋律と胸が潰れるような悲しみ、名作「砂の器」

松本清張原作の「砂の器」を映画化した作品。美しくも哀愁のある音楽とともに、あまりにも悲しく残酷で、理不尽な無知からくる差別に、怒りと悲しみで胸が塞がれるような思いになりました。映像と旋律が美しいぶんだけ、人々に追われながら放浪する親子の姿の悲惨さが際立ち、心を激しく揺さぶられます。まさに日本映画を代表する名作です。

投稿記事

松本清張作品の中でもっとも高く評価された名作

■作品名
砂の器(1974)
■監督
野村芳太郎
■主演 
加藤剛、島田陽子、加藤嘉、緒形拳、丹波哲郎
■DVD販売元
SHOCHIKU Co.,Ltd.(SH)(D)


■おすすめの理由

松本清張原作の「砂の器」を映画化した作品ですが、清張作品の中でももっとも高く評価されてきた作品で、様々な賞も受賞しています。

■物語は……

ある日、国鉄の蒲田操車場の構内で扼殺死体が見つかる。

身元もわからず捜査は難航するが、警視庁捜査一課警部補の今西(丹波哲郎)達は、事件前夜被害者が若い男と酒を飲み「カメダ」という地名の話をしていたということを突き止める。

しかしながら何の手がかりも掴めず、迷宮入りになりそうなその時、ある新聞記事がきっかけで捜査は意外な展開に……。

当時「らい病」と呼ばれ、死の病として恐れられていたハンセン氏病の本浦千代吉(加藤嘉)と息子の秀夫(主人公の和賀英良)が、ひどい差別を受けながら巡礼姿で放浪するシーンは衝撃的でした。

美しくも哀愁のある音楽とともに、あまりにも悲しく、残酷で、理不尽な無知からくる差別に、怒りと悲しみで胸が塞がれるような思いで一杯になったことを覚えています。

映像と旋律が美しいぶんだけ、人々に追われながら放浪する親子の姿の悲惨さが際立ち、圧倒的な力で心を激しく揺さぶられ、大号泣してしまいます。

刑事達の執念の捜査、過去を隠し、恩人を殺してまで一流社会の一員としてのし上がろうとした作曲家の和賀英良の野心……様々な思いが絡み、またそれぞれの役者の演技も秀逸。

まさに日本映画を代表する名作。

この小説をテレビドラマ化したものもありますが、まったく足元にも及びません。 

砂の器はこの映画が最高傑作です。 


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