出会いと別れが切ない、川端康成の名作
■作品名伊豆の踊子(1974)
■監督
西河克己
■主演
山口百恵、三浦友和
■DVD販売元
EMIミュージック・ジャパン
■ おすすめの理由
「伊豆の踊子」は日本を代表する文豪、川端康成の代表作。
日本人に親しまれている作品で、過去6回も文芸映画として作品が上映され、色々な女優がヒロインを演じています。
70年代にヒロインを演じたのは、スーパーアイドル山口百恵さんです。
孤独に悩み、人生から逃れるために伊豆を一人旅している青年(三浦友和)が、旅芸人の一座にいた踊子の少女に恋をする情感溢れる作品です。
■物語は……
20歳の青年(三浦友和)は、ある日自分の持つ孤児根性の息苦しさに耐えられず、ひとりで伊豆に旅行にでる。
途中で旅芸人の一座と出会い、初々しく純情な踊子に心を惹かれ彼らと行動を一緒にする。
彼らと接するうちに心の孤独を癒される青年。しかし東京へ帰らなければならない日が近づき……
お互いに想いを打ち明け、結ばれることなく、再会を約束することなく別れてしまうあまりにも若い二人。
岬の突端で大きく手をふる踊子と、涙を流しながら手を振り返す青年。
今なら「メアド交換すればいいじゃん」という人もいるでしょうけれど、携帯もパソコンもない時代。
一度さよならしたら、もう二度と会うことはできないかもしれないからこそ、出会いと別れが切なく情緒があるのでしょう。
三浦友和さんの端正な二枚目ぶりは書生役にぴったりで、山口百恵さんも初々しく、たどたどしさすら感じる演技が、とても新鮮でかわいらしくて魅力的です。
情報社会にならない前の、日本の良さを感じさせてくれる作品です。