寅さんと武田鉄矢さんのやりとりが光る！

踊り子に惚れた寅さんと留吉の恋はどうなるのか？
『男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく』

■監督
山田洋次
■主演
渥美清、倍賞千恵子、木の実ナナ、武田鉄矢
■DVD発売元
松竹ホームビデオ

男はつらいよシリーズ第21弾に当たる「男はつらいよ　寅次郎わが道をゆく」は、寅さんと武田鉄矢さんのやりとりが光る作品です。おすすめの理由は、寅さんと留吉の恋、マドンナの決断、浅草のランドマーク「浅草国際劇場」です。

寅さんと留吉の恋

熊本県の田の原温泉で寅さんは地元の青年である留吉（武田鉄矢）と知り合います。留吉はやることなすこと裏目に出てしまうことで悩んでおり、寅さんは“人の道”を大真面目に説きます。留吉はすっかり寅さんを気に入り、寅さんも逗留していたところ、宿賃がなくて妹のさくらが手紙を書くことに。迎えにやってきたさくらは呆れながらも怒っていましたが、寅さんはこうして柴又に戻ることに。

ある日、妹のさくらの学生時代の同級生、紅奈々子（木の実ナナ）が訪ねてきます。奈々子は、SKD（松竹少女歌劇）の踊り子で、またまた寅さんは惚れてしまいます。こうして何かと理由を付けて浅草通いを始める寅さん。梅雨に入る頃、例の留吉が上京してきました。そして、寅さんに国際劇場へ案内されるとそこの踊り子に一目惚れして、近くのとんかつ屋に就職してしまいます。寅さんと留吉の恋はどうなってしまうのでしょうか。

マドンナの決断

奈々子は迷っていました。それはこのまま踊り子を続けるか、結婚して引退するべきかです。彼女の恋のお相手は寅さんではなく、照明係の男です。この時点で寅さんの失恋は確定なわけですが、マドンナの決断は如何に。

浅草のランドマーク「浅草国際劇場」

今作ではもう一つ重要なのが、この浅草国際劇場です。これは本当に1982年に閉鎖されます。SKDのレビューも当時を知っていれば懐かしいことでしょう。今作が上映されたのは、昭和53年8月です。つまり、1978年。すでに取り壊されていることは決定していたようで、その踊り子たちの哀愁も描かれています。舞台を惜しむ踊り子たちの演技にも注目です。