独特のセンスで世界観を映像化したケン・ラッセルの代表作
■作品名TOMMY(1975年 イギリス)
■監督
ケン・ラッセル
■主演
ロジャー・ダルトリー、キース・ムーン、ピート・タウンゼント(THE WHO)、ジャック・ニコルソン、エルトン・ジョン、ティナ・ターナー他
イギリスのロックバンドTHE WHOが1969年に発表したアルバム「TOMMY」をケン・ラッセルが映像化したミュージカル映画。
ロック・オペラという今までになかったタイプの全編ロックミュージックだけでセリフの全くない斬新な映画です。
THE WHOのアルバム「TOMMY」は当時流行していたコンセプトアルバム(アルバム全編を通したコンセプトとストーリーがあり、聴く映画のようなアルバム)で、TOMMYという精神的なショックから聴覚・視覚・発話障害の三重苦を追った少年の半生を描いており、殺人、ドラッグ、性的虐待などが盛り込まれた少々過激な内容です。
トミーをドラッグ漬けにしてしまうアシッドクイーンを演じるティナ・ターナーのクレイジー振り、ピンボールの魔術師と呼ばれるピンボールの名士を演じるエルトン・ジョン、トミーを診る医者にジャック・ニコルソンなどなど豪華キャストの怪演もみもの。
一般的なミュージカル映画よりももっと実験的で感覚的な映像で、普通の映画と思ってみるとなんじゃこりゃ?だと思うのですが、もともとアルバムの「TOMMY」を知っているとあの音楽をこのように映像化したのはすごいセンス!と唸ってしまう作品。
去年開催されたロンドンオリンピックの閉会式でもトリを務めたTHE WHO。ここでもTOMMYからの代表作「See me, Feel me」が演奏されていました。
40年近く経った今でも彼らの代表作として燦然と輝くロックオペラ「TOMMY」。この世界観を独特のセンスで映像化したケン・ラッセルの代表作が映画「トミー」です。
ブロードウェイでもロングランしているロックテイストのミュージカル、まだご覧になったことがないかたはぜひご覧ください。