青春時代の甘酸っぱい物語
■作品名小さな恋のメロディ
■監督
ワリス・フセイン
■主演
マーク・レスター、トレイシー・ハイド
■DVD販売元
ポニーキャニオン
いやぁ自分の年齢ばかりのせいではないと思いたいのですが、1971年公開のこの映画は観るたびに甘酸っぱいというか、なんとも面映ゆい心持がします。
ビー・ジーズの名曲を背景に描かれる少々幼い「青春時代」。学校の校庭で友達と野球に興じ、ささいなことで取っ組み合いの喧嘩をし。先生にかくれて塀の陰でたばこを回しあい、大人ぶってみて。
友達とはしゃぎ騒ぎ、自分だけの金魚をみつめてほほ笑むほど幼いけれど、気になる相手だっていて、彼(彼女)の前では馬鹿みたいに緊張してうまく話せない。
特にお勧め、というより好きなシーンは、主人公の二人がチェロとリコーダーで輪唱をするところです。イギリスの童謡「Are You Sleeping?」から始まる歌だと思うのですが、相手を意識してか最初たどたどしかった演奏がだんだんうまくなって行き、メロディは目を合わせて微笑み、ダニエルはちょっと得意げに顎をあげる。
彼らのような「清らかな」恋、したことあったでしょうか。その想いは、二人の「結婚」を周囲が引き裂こうとする場面でいっそう強くなります。
「(好きだから二人でいたいのに)、なぜそんなに悪いことなの? 教えてよ」
そう問われた校長先生やお父さんのごとく、そのまっすぐな瞳を見つめかえせずにうつむいてしまいそうな気がします。まぁ自分に関わりなかったら、「それもいんじゃない?」と軽く言ってしまうかもしれませんが。
本国イギリスとアメリカでは受けなかったらしいこの映画、貴方の繊細なハートはきっと揺さぶってくれると思います。「小さな恋のメロディ」。甘酸っぱい青春の映画です。