貧富格差や差別問題などを織り込んだアメリカン・ニューシネマ
『サタデー・ナイト・フィーバー』(77年)
■監督ジョン・バダム
■主演
ジョン・トラボルタ
■DVD/Blu-ray販売元
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
映画そのものより、指を立てた白いレジャー・スーツ姿のトラボルタのほうが印象的かもしれません。
あるいは、サントラ(=ビー・ジーズのディスコ・ヒット・チューン満載)のイメージでしょうか。
それらももちろん本作の魅力ですが、内容は、青年が大人になっていくきっかけをつかむ、というテーマで、アメリカン・ニューシネマの中では比較的「健全」というか、グロい/エグい描写のないのが、逆に希少種かもしれません。
トラボルタ演ずるトニーは、自身の中に鬱積するものを抱えながら、夜だけはディスコでヒーローのように踊り、自分をなだめています。
その行きつけのディスコで、ダンス・コンテストが開催されることになり、ステファニー(=カレン・リン・ゴニイ)という年上の女性とコンビを組むことになるのですが……
エログロ描写のない代わりに、アメリカの貧富格差や差別問題などを織り込んで、単なる「古き良きディスコ時代」懐古の映画、というだけでない仕上がりになっていると思います。