学芸大学・アンスピラシオン(2ページ目)

国や時代を問わず、相反するものを共存させる

グレーの壁に物語が浮かび上がる・・・印象的な部屋。
店内をずんずん進んだ正面向かって右奥は、ここだけグレーの壁を塗りこめた小部屋になっています。 少し薄暗いその部屋の中には、装飾的ながら無駄のないシェイプの白い皿やトランプ型のユニークな陶器、バウハウスを匂わせるようなデザインのランプなどがスモーキーな壁にふわりと浮かび上がり、ファンタジックでアートフルな世界を演出。不思議な錯覚にふらふらと酔って、いつの間にかアリスのワンダーランドに入ってしまった気分です。 フォルムやテクスチャーなど、一見異質のものをバラバラに組み合わせ、 思いがけない調和を作り出すことが、谷さんの新しいチャレンジ。 シャープなお皿たちやトランプ陶器はドイツ製、ランプはフランスのものだそうです。


左は南仏のブランド「レザビヌフ」。クロスはチュニジア、カーペットはイタリアから。

左の写真はオルネ・ド・フォイユでも人気のブランド「レザビヌフ」。 アンティークショップが立ち並ぶことで有名な南仏、リル・シュル・ラ・ソルグに店舗を構えています。 古い麻袋やアンティークの洋服など、様々な種類の布を継ぎ合わせて、 世界にひとつしかないオリジナルのバッグを作り上げています。
右上はチュニジアのキッチンクロス。素朴な風合いが肌にも心地良く、 谷さん自身も自宅で愛用しているクロスなんだとか。 写真には写っていませんが、大判のテーブルクロスもあります。
そして右下は特におすすめのカーペット！イタリアでデザインされ、製造はセネガルで行われているそう。 柄や色の合わせ方が独特で大胆。洗練されたデザインながら、価格はお手頃なのが嬉しい。 素材は繊細なビニールチューブを編んで作られたもの。 さらりとしているため、これからの季節に重宝しそうです。水こぼしの心配もいらないし、 小さなお子様のいる家庭でも安心して使えます。 谷さんの家では、年中これを敷きっ放しで愛用しているそうです。 早くも常連の方々から予約が殺到しているようなので、気になる方はお早めに。


南仏のアーティストが作った針金細工。うっとりするようなフォルム。

さて、今回特に目を引いたのが、針金細工の様々なアート作品。 上の写真は鳥かごをイメージしたもので、小さな鳥のオブジェが中に入っています。 シッポには模様の入った古布をしゅんしゅんと細く裂いたものを使っていたり、 どの作品もいちいち恐ろしく凝っているのです。もちろん全て手作りなので、ひとつひとつ表情が違い、 同じものはありません。決してお安いものではありませんが、 アートオブジェとして、ひとつあるだけで部屋に圧倒的なインパクトを与えます。 ほのぼのと幻想的で、メルヘンチックなかわいらしさの中に、 がつんとみなぎるパワーのようなものを感じます。


左と右上は同じ作家のもの。これらはランプとして灯りが付きます。
左はサーカス小屋で、灯りを付けると浮かび上がってくる風景が・・・。
右下の作家はアンティークの壁紙やシャンデリアパーツを一緒に組み
合わせ、どこか懐かしくロマンティックな作品を作り上げています。

今回のお店作りでは、やっぱり懲り過ぎて腰を痛めてしまったという谷さん。
「壁をどうしても自分のイメージ通りに塗りたくて、どうにも時間がかかってしまいました。 でもこの雰囲気はとても気に入っていて満足しています。もし住めるならここに住みたいくらい（笑）。 今まではフランスと日本の往復で慌しい生活でしたが、 今年からは日本に住み始め、気持ちも落ち着いてきたので、 これから新しいオリジナルももっと作りたいし、内装などの仕事も提案していきたい。 今後は、日本の住まいの快適さについて、自分自身を実験台にしながら、 じっくり考えていこうと思っています」。


inspiration（アンスピラシオン）
東京都目黒区中央町1-21-9 永嶋ビル1F　　
tel 03-3716-4061
11：00～19：00
金・土・日祝のみ営業
http://www.ornedefeuilles.com/inspiration/


近所には以下のお店もあるので、ご一緒にどうぞ。
boiserie（ボワズリー）
ラ プティット エピスリー　ジャクリーヌ モラビト
カメピストア＆ライブラリー「monogram（モノグラム）」
CLASKA（クラスカ）



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