映画/口コミでおすすめのSF映画(洋画)

何よりも怖い「人間不信」の真理を描いた映画

小説『盗まれた街』の2度目の映画化です。最初の映画化となったドン・シーゲル監督の作品は当時の世相を取り入れ、マスヒステリーや人間不信の恐怖が描かれていました。このフィリップ・カウフマン版になると、そうした設定に加えて、時代を象徴する環境問題も絡められています。この原作が何度も映画化されるのは、時代背景がどう変化しようとも、一番怖いのは人間不信だという真理が描かれているからなのでしょう。

投稿記事

何度も映画化される『盗まれた街』が原作の作品

■作品名
『SF/ボディスナッチャー』(78)
■監督
フィリップ・カウフマン
■主演
ドナルド・サザーランド、ブルック・アダムス
■DVD発売元
20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント


1955年に発表されたジャック・フィニイの小説『盗まれた街』の2度目の映画化です。

最初の映画化となったドン・シーゲル監督の『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』(56)には、赤狩り、冷戦といった当時の世相が巧みに取り入れられ、宇宙生命体によるボディ・スナッチ=人体乗っ取りの形を借りてマスヒステリーや人間不信(家族や隣人が外見はそのままで別人になる)の恐怖が描かれていました。

このフィリップ・カウフマン版になると、そうした設定に加えて、70年代後半という時代を象徴する環境問題が絡められています。

登場する俳優の中で一番不気味な感じがするドナルド・サザーランドに、最後までボディ・スナッチに抗う男を演じさせた点が逆説的で面白いです。

この手の映画や吸血鬼ものなどを見ると「迷わず、逆らわずに仲間になった方がむしろ幸福なのではないのか」とも思いますが、実はそう思わされることの方が怖いのかもしれません。

この映画の後も、同じ原作で、アベル・フェラーラ監督の『ボディ・スナッチャーズ』(93)とオリバー・ヒルシュビーゲル監督の『インベージョン』(07)が作られています。

この原作が何度も映画化されるのは、時代や背景がどう変化しようとも、一番怖いのは人間不信だという真理が描かれているからなのでしょう。

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