ポワロシリーズの中でも特に有名な「ナイルに死す」を映画化
■作品名ナイル殺人事件
■監督
ジョン・ギラーミン
■主演
ピーター・ユスティノフ
■DVD販売元
ジェネオン エンタテインメント
1978年製作。サスペンスの女王アガサ・クリスティーの代表作、エルキュール・ポワロシリーズの中でも特に有名な「ナイルに死す」を映画化したものです。
よく練られ、謎かけや見どころも随所にちりばめられた良質のミステリーであると思います。
そしてわたしは、サスペンスやミステリーは、一度本で読んだり他で観たりしてオチを知っている場合、二度観ようとはあまり思わないのですが、このポワロシリーズはすでにオチを知っている方にもお勧めしたい作品です。
まず衣装です。映画であろうとドラマであろうと、俳優さんはスタイリストさんが用意した衣装をみにつけておられると思うのですが、他のテレビドラマシリーズでもこの映画でもポワロ氏はどうみても自前のスーツを着ているとしか思えないほどぴったりです。
昼間は白のスーツ、夜は黒のタキシードです。襟元や胸に優しくそうように誂えられたその美しい装いは、彼のハンプティ・ダンプティを連想させる体系すら美しく見せる。その麻のスーツと小粋にかぶったパナマ帽のおかけで格好よく見えてしまう。
他の共演者の皆さまも、ポワロ氏ほどではありませんが、昼と夜で衣装を替え、装うとはこういうことかと、うならせてくれます。アカデミー賞でも評価され、衣装デザイン賞を受賞しています。
そしてその衣装たちに華をそえる、上品ながらも抑えきれない豪華さをかもしだす小道具や船の内装。ポワロ・シリーズの中でもこの「ナイル殺人事件」が人気なのは、そのストーリーによるのではなく、この映画の衣装や小道具、そしてそれらがあわさった映像の美しさによるのではと、思ったりもします。
ナイル殺人事件。なぞ解きとともに、優雅な船旅を体験できる、お勧めの逸品です。