特撮パニック映画の傑作
ポセイドン・アドベンチャー
特撮パニック映画の最初の成功作です。巨大客船ポセイドン号が、ニュー・イヤー・イブのパーティの最中に、なんと津波によって180度転覆してしまいます。ここから、主人公のスコット神父(ジーン・ハックマン)をはじめとする、個性豊かな10人が“船底=海面を”目指して、時には対立しながらも決死の脱出行を繰り広げていきます。上下逆さまの世界が現出するという発想がとてもユニークです。一人また一人と命を落とす中、最後に生き残るのは一体誰なのか……。
日本ではこうした映画は“パニック(恐慌)もの”と呼ばれ、70年代に一大ブームを巻き起こしました。
その火付け役となったのが、この映画のプロデューサー、アーウィン・アレンです。彼は後に超高層ビルの火災を描いた『タワーリング・インフェルノ』(74)も生み出しています。
70年代の映画を語るには欠かせない人物の一人です。
■作品名:『ポセイドン・アドベンチャー』(73)
・監督:ロナルド・ニーム
・主演:ジーン・ハックマン、アーネスト・ボーグナイン