日本の加盟、すでに国会で承認!
2013年5月22日、ハーグ条約へ加盟することが、参院本会議にて全会一致で可決し、国会で承認されました。そして6月12日には、条約の実施に必要な国内の手続きに関する法律が、参院本会議で可決、成立しました。この法律の正式名称は「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律」で、目的として次のようなことが掲げられています。
第一章
総則
(目的)
第一条
この法律は、不法な連れ去り又は不法な留置がされた場合において子をその常居所を有していた国に返還すること等を定めた国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(以下「条約」という。)の的確な実施を確保するため、我が国における中央当局を指定し、その権限等を定めるとともに、子をその常居所を有していた国に迅速に返還するために必要な裁判手続等を定め、もって子の利益に資することを目的とする。
続く条文では、日本での「中央当局」は外務大臣とすること、「子」「不法な連れ去り」「常居所地国」などの言葉の定義、子を元いた国に返還する際に必要な裁判の手続きなどが定められています。
また、返還要求に応じて子供を元住んでいた国に返すと、虐待される恐れなどがある場合、返還を拒否できるという条項も盛り込まれています。
法律の全文は下記サイトにて読むことができます。
法務省:
「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律」
ハーグ条約、今後はどう進む?
国会で加盟が承認され、国内での法律も整った今、これから先はどのように進んでいくのでしょうか?日本政府は今後、ハーグ条約の事務局があるオランダに加盟を申請します。その約3カ月後には条約が効力をもつようになり、同時に国内手続き法が施行されます。政府は今年度中の正式加盟を目指しているといわれています。
なお、法律施行前に起こった連れ去りの事案には、この国内手続き法は適用されないそうです。
また、外務省では、子の連れ去りに関する日本語の電話相談を行なっています。連れ去りか連れ去られ事案の当事者(親)が対象です。内容は日本の制度等について説明するもので、個別の具体的な解決策についての相談を受けるものではありませんので、その点は注意してください。
受付期間は最長で2014年3月31日まで。ただし、その期間前に受付を終了する場合もあるそうです。
詳しくはこちらのページへ。
外務省:
「ハーグ条約の締結に向けた子の連れ去り事案に関する電話相談のご案内」