「負けず嫌い」のホンダ
9月発売となる新型フィット。燃費に加え、様々な安全装備も充実。コンパクトカーの域を超えた広大なラゲッジルームも注目だ
9月5日に発売予定の次期型フィットはすでに受注を開始している。当然のことながら契約するユーザーに価格やスペック、装備などの情報も提示してます。今やネットの時代。こうなると正式に公表していない数字だってダダ漏れになってしまいます。ということで次期型フィットの詳細を。
まず最も気になるハイブリッド車の価格だけれど、最大のライバルとなるトヨタ・アクアの169万円を大きく下回り、163万5000円スタートになった。興味深いのはベースグレードのみ燃料タンク容量が32L。そしてアルミボンネット。リアシートが簡易収納式になっています。
理由は軽量化のためである。最廉価グレードに高価なアルミボンネットを採用するあたりがホンダらしい。ホンダのDNAって「負けず嫌い」なのだった。何としてもアクアの燃費を越える数字を出したかったんだと思う。それだけアクアのJC08燃費がよいということでもある。
参考までに書いておくと、アルミボンネット以外のフィットハイブリッドの燃費は33.6km/Lで、アクアに届いていない。ただ売れ筋グレード同士であっても、実用燃費勝負では引き分けまたは、優れた回生性能を持つフィットハイブリッド優勢だと思う。むしろ高速走行だとプリウスが強敵になるかもしれません。
36.4km/LというフィットハイブリッドのJC08燃費が公表された時、ハイブリッドに詳しくない多くのメディアは1モーターハイブリッド+7速ツインクラッチの採用を褒め称えた。やはり基本的には旧式のニッケル水素電池を使っていても、トヨタ方式のハイブリッドの方が効率よいということです。
実質的にライバルより7万円安い
SPORT HYBRID i-DCDは燃費向上の立役者。欧州車などで使われているDCTを採用した
売れ筋になりそうな装備充実の『Fパッケージ』は172万円。179万円のアクアと同等の装備内容なので、実質的に7万円くらい安いということになります。ちなみに標準エンジンもハイブリッドも、ベーシックグレードを選ぶと自動ブレーキなど含む「セーフティパッケージ」は付けられない。
いずれにしろ使い勝手まで含めたらフィットハイブリッドの圧勝。リアシート使った時に残るラゲッジスペースなど、比較にならないほど広いですから。また、アクアには設定されていない「ロングドライブの友」であるクルーズコントロールだって付く。自律自動ブレーキもフィットの優位点。
通常エンジン搭載の1.3リッターモデルのJC08燃費は26km/L。「相当頑張ったらしい」とウワサされていた車重だけれど、1.3リッターのベースグレードは970kg! 凄い! 一回り大きくなり、横滑り防止装置など標準装備しながら50kgも軽量化しているということだ。
ハイブリッド以上に注目されていた1.3リッターエンジンを搭載するベースグレード『1.3G』の価格は、アイドルストップや横滑り防止装置VSAが標準装備となったにも関わらず、従来型からわずか3万5000円高の126万5000円! あまり値上げしないと聞いていたものの、驚いた!
次期型フィット、どんな評価基準を持ってしても「お買い得!」ということになります。充実装備となる『Fパッケージ』は136万円(同じ価格で5速マニュアルもラインナップしている)。豪華仕様の『Lパッケージ』が146万1000円。スポーティな『Sパッケ-ジ』で156万円。
読者の方によれば、皆さんハイブリッドをオーダーしたとのこと。早くも多くのオーダーを受けており、納期についてはわからないそうな。おそらく正式発売の頃には年内納車が難しいという状況になるかもしれません。早く乗りたいなら、今週末にでも仮予約をしたらいいだろう。