グラインダーを使い分ける理由
「エスプレッソ用に豆を挽くにはコニカル刃のグラインダー、カプチーノ用に豆を挽くにはフラット刃のグラインダーを使います」オーナーバリスタの中島優さんがそう説明してくれました。
低速回転のコニカル刃は摩擦熱が小さく、コーヒー豆の風味の劣化が少ないので、純粋に豆の風味を味わいたいエスプレッソに用います。いっぽう、高速回転のフラット刃は均一に極細挽きができるため、ミルクとなじませたいカプチーノやラテのために。
よりおいしい一杯を求めるバリスタのこだわりは、どこまでも限りがありません。
「だから、内装にかけられる予算は限られていたんです」
それでも、中島さんが「これだけはどうしても」と考えていた内装がヘリンボーンの床。通常のフローリングよりも高額になるため、床面積の半分はプロにヘリンボーン施工を依頼し、残りの半分は自分たちの手で平行に貼るという折衷案に。
ヒノキ材なので、床にこぼしたものを水拭きしたときに、ふっと良い香りが漂うのだと中島さん。清潔感の漂うその床に、午前の明るい光が扉の木枠のかたちに射しているのを心楽しく眺めながら、私はコーヒーとトーストをいただきました。
奥さまの真由子さんはパティシェ出身。次ページでスイーツと食事のメニューをご紹介します。