高金利の理由は満期や受け取る通貨の変更

仕組預金とは、デリバティブを組み込んだ預金商品のことです。この「デリバティブ」、ちょっと説明しますと、株式、債券、為替、コモディティなどの金融商品を対象に、より高い収益性を目指した、複雑な売買手法=取引だと考えてもらえばいいでしょう。
 
言ってみれば定期預金と投資の中間的な商品

いってみれば定期預金と投資の中間的な商品


具体的手法として、その将来の売買について約束する「先物取引」、将来売買をするかしないか選べる権利を購入する「オプション取引」、また将来にわたって発生する利息を交換する「スワップ取引」などがあります。話が難しい方向に行きましたが、要は、仕組預金はそういった手法により、高金利が設定できるというわけです。

そのような仕組預金を利用する際、知っておくべき大きな商品の特徴があります。基本的には定期預金ですが、市中金利の動向によって、満期日までの期間が短縮、もしくは延長されるということです。

たとえば、条件に「預入期間10年(最短5年)」とあった場合、満期が10年と設定されてはいるものの、金融機関の判断で最短5年に預入期間が変更される可能性がある、という意味です。短縮されるのは、預入期間中に市場金利が下がった場合。預入期間を短縮することで金融機関は、より高い金利を払わずに済みます。延長はその逆で、市場金利が上昇した場合です。

これは、預金者にとっては一般的な定期預金にはないデメリットとなります。さらに、中途解約が原則できません。中途解約が認められても、損害金などの負担をしいられ、大きく元本割れとなる可能性が高いのです。

また、「外貨建て」の仕組預金は、満期時に受け取る元本の通貨が変動する(ただし利息は円)のが一般的。具体的には、満期時の為替レートが預入時にあらかじめ定められた為替レート(特約レート)より円安であれば、その元本(円)は特約レートで外貨に転換され、外貨のまま受け取ることになります。逆に円高であれば実勢レートが適用され、受け取りも「円」となります。結果的に、通常の外貨預金であれば得られる為替差益のメリットが期待できず、元本割れの可能性もある為替差損というデメリットだけが残るわけです。
 

投資ほどのリスクは取れない資金の預け先として

何かデメリットばかりが目立つ仕組預金ですが、唯一と言っていいメリットがあります。それは高金利です。

東京スター銀行の「スタードリーム円定期」を例に取ると、預入期間は10年、金利は0.18%(預入は100万円以上、1円単位)。満期日が繰り上がる可能性はありますが、その間はこの金利が確定します。また、じぶん銀行の「スイッチ定期預金」は外貨建てタイプで、金利は米ドルが4.0%、豪ドルが6.5%。しかも、ユニークなのは預入期間が1カ月という点。実際は年利からイメージするほど増えません(実際は12分の1の金利)が、一方、短期間のため仕組預金特有の為替リスクは小さくなり、高金利の恩恵をより早く手にすることができます。

例えば、「スイッチ定期預金」の豪ドルタイプに100万円を預けると、1カ月後の受取利息は4399円(税引後。ただし為替変動、手数料は考慮せず)。対して、メガバンクはスーパー定期も大口定期も金利0.002%。100万円預けて受け取る利息は16円ほど。しかも1年後です。

ともあれ、教育資金や住宅資金のように目標額があり、かつ使う時期が決まっている資金には、この商品は不向きといえるでしょう。一方、余裕資金の預け先として、低金利の定期預金は魅力がなく、かといって投資はリスクがあり二の足を踏むという人には、ひとつの選択肢になるのではないでしょうか。

ただし、仕組預金を扱っている金融機関の多くが、一定の募集期間を設定しています。つまり、いつでも利用できるわけではなく、募集は不定期。それでも金利上乗せのキャンペーンを行うこともあり、先に紹介しました東京スター銀行やじぶん銀行の他、住信SBIネット銀行、楽天銀行、あおぞら銀行など、関心のある方は募集実績のある金融機関のサイトを定期的にチェックしておくといいでしょう。(掲載した金利は2021年2月20日現在)

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