外貨普通預金、外貨MMFなら機動力もあり

外貨投資の損益分岐レートを確認できたとしても、ままならないのが為替相場。相場を予測するのは為替のプロでも難しいことです。少しでもリスクを抑えるためには、大きく相場が動いたときに、機動的に売買できるか、ということが大切になってきます。そうしたときに、外貨定期預金は不利なのです。それは満期前解約が基本的にはできないからです。運用途中でどれほど円安になり含み益があったとしても、満期時に円高になっていれば為替差損が発生してしまいます。

これを防ぐには、売買の自由度が高い商品を選ぶということです。外貨預金なら、外貨定期ではなく、外貨普通預金。もしくは外貨MMFという選択になるでしょう。

外貨普通預金なら解約自由。指値注文が可能なところも

円の普通預金と同じように使えるのが、外貨の普通預金。定期預金のように満期が決まっているわけではないので、為替動向をみながら、自由に預け入れ、引き出しが可能です。米ドルでの外貨投資を考えているなら、現在はほとんど定期預金との金利差はないので、普通預金で十分です。利息を得るというよりも、より為替差益を狙うというスタンスになるでしょう。

その場合、リアルタイムに近い為替レートで取引できるのか、という点に注目して各銀行のサービス内容をチェックするほか、「指値注文」が可能かどうかもポイントになるでしょう。「指値注文」とは、株式投資をしたことがあれば、ご存じでしょう。自分の希望する為替レートで注文を出し、そのレートになった時点で売買する、という条件つきの注文の出し方です。

たとえば、1米ドル=98円になったら購入という具合に投資家が条件を出すわけです。払い出しの際も、1米ドル=101円になれば払い出し、という具合に、自分で想定した為替レートで取引ができるので、常に相場をチェックしていなくてもいいのです。

■外貨預金の取引で特徴のある金融機関
外貨普通預金の取引で特徴のある金融機関。2013年8月1日現在

外貨普通預金の取引で特徴のある金融機関。2013年8月1日現在(クリックで拡大)


ただし、現在のところ、指値注文ができる銀行は、ソニー銀行と住信SBIネット銀行の2行のみ。頻繁に取引する際には、為替手数料もその分かかりますので、その点にも注意が必要です。

気になる通貨選びですが、下の一覧にあるように、現在はかなり多くの通貨を取り扱っています。ただし、米ドル、ユーロなどの基軸通貨以外のマイナー通貨は金利が高いものの、為替手数料が高く、そもそも通貨供給量が少なく、為替相場の変動幅が大きいため、取引が成立しない場合もあります。外貨ビギナーは、情報の得やすい通貨で始めることをおすすめします。

■主な金融機関で取り扱っている外貨普通預金
主な外貨普通預金。2013年8月1日現在

主な外貨普通預金。2013年8月1日現在(クリックで拡大)


外貨MMFなら買い増し、積み立ても便利

外貨MMFの魅力は、機動性の高さにあります。少額から投資ができ、相場を見ながら自由に売買できるため、タイミングよく買い増し、売却が可能です。また、毎月一定額を買い付けていく「積み立て」もできるので、価格変動リスクを抑えながら外貨資産を増やしていけます。

外貨預金よりも安い為替手数料、利回りの良さ、そして外貨のまま他の商品、たとえば外国債券が購入できる、という点も使いやすい理由です。為替手数料の点から言えば、銀行での取り扱いもありますが、ネット証券ではじめるのがベストです。主なネット証券の外貨MMFの通貨別の為替手数料は以下のとおりです。利回りについては、外貨普通預金より総じて高い設定になっていますが、運用に基づいて毎日変動しますので、為替レートのチェックとともに、定期的に利回りの推移をチェックするようにしましょう。

■主なネット証券で扱う外貨MMFの為替手数料
取り扱い通貨別の為替手数料。2013年8月1日現在

取り扱い通貨別の為替手数料。2013年8月1日現在(クリックで拡大)


また、1万円程度から購入可能なので、相場変動で買い増しするのも気軽に行えます。さらに、毎月1万円というように定額で積み立てができるのも、外貨MMFの魅力です。特に、為替変動の大きな通貨に投資をする際、為替の方向性を掴みにくいことがデメリットとして挙げられます。そうした通貨は逆に、積み立てのシステムを使うことで、対円で円高の時には当該通貨を多く買え、円安の時には少し買うことになり、結果的には、購入為替レートを平準化することができます。金利が高い通貨に投資をしたい、という場合には、積み立てで始めることをおすすめします。

その他の外貨MMFのメリットとしては、為替差益については非課税なので、より有利な運用ができること、毎月の分配金は1カ月複利で再投資されるので、ムダなく外貨運用ができる点です。加えて、外貨のほかの商品への投資を考えているなら、外国債券の取り扱いの有無、外国株式、海外ETFの購入代金への充当が可能かどうかもチェックしておくといいでしょう。

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