消費税増税の影響を減税と給付金で緩和
「すまい給付金」で増税の負担軽減
消費税の増税によって、マイホームについては、住宅を購入する際の建物価格(※)(土地価格は非課税)や住宅を建築する際の工事費用、 住宅取得に必要な諸費用の一部などで、増税によって消費者の負担が重くなります。
※売り主が個人の中古住宅のような個人間売買の場合、消費税は課税されない
住宅の場合は増税の影響が大きいため、駆け込み需要を懸念して、住宅の需要を平準化する目的で「住宅ローン減税」の拡充が行われました。しかし、収入が低いなどの理由で所得税などの納税額が少ない人は、住宅ローン減税を拡充してもあまり恩恵が受けられない場合が考えられます。それを考慮して、住宅ローン減税を補完する形で創設されたのが「すまい給付金」です。
税率引き上げ時期の再延期で、住宅ローン減税やすまい給付金の適用期限も2021年12月まで延長されることになりました。
→ 消費税増税による影響や「住宅ローン減税」の拡充について、詳しくは、ガイドの記事「近づく消費税増税 住宅購入に与える影響は?」にまとめていますので、そちらをご覧ください。
「すまい給付金」とは?
「すまい給付金」とは、住宅取得の際に消費税率が8%または10%が適用された場合、一定の条件に該当する人に、給付金(最大で税率8%時30万円、税率10%時50万円)を交付する制度です。では、どういった条件があるのでしょうか?まず、取得する住宅は、新築住宅だけでなく中古住宅も対象になります。ただし、条件が異なります。売り主が個人である個人間売買が中心となる中古住宅の場合は、消費税の課税対象にならないことが大半なので、中古住宅に限っては「売り主が宅地建物取引業者であること」という条件が加わります。
また、基本的には「自ら居住」する「床面積50平米以上」の広さで、「住宅の品質が確認された」住宅であることが条件となります。ただし、品質が確認された時期や検査の内容が、新築と中古では異なりますので、詳しくは住宅の販売や仲介をする不動産会社、建築を依頼した施工会社などに確認をしましょう。
→ 新築住宅に関する詳しい条件はガイドの記事「新築住宅編 『すまい給付金』」がもらえない?に注意」を、中古住宅に関する詳しい条件は「中古住宅編 『すまい給付金』」がもらえない?に注意」を参照ください。
次に、住宅ローンを利用した人だけでなく、利用しなかった人(現金による取得者)もすまい給付金の対象になります。ただし、現金取得者の場合は、ローン利用者の条件のほかに、さらに追加条件を満たす必要があります。
「50歳以上」で「収入額の目安が650万円以下(実際には都道府県民税の所得割額が13.30万円以下)」であるといった取得者の条件に加え、新築住宅に限っては、「フラット35S」の基準を満たすという条件が加わります。
>>次ページからは、気になる「すまい給付金」の給付額などについて見ていきましょう。