安心、安全! おうちで開く絵本を使った肝試し
子どもたちの夏の風物詩といえば、かき氷・金魚・夏祭りなどいろいろありますが、肝試しもその1つですね。でも、実際に夜肝試しに行くのは、危険が伴いちょっと心配です。そんな時は、絵本で肝試しを楽しんでしまいましょう。ちょっとした演出の工夫で、いつものおうちの読み聞かせが、コワ~イ(?)肝試しおはなし会に変身します。程よい怖さが、肝試し成功のコツ
薄暗いヴィンテージ・ランプの光が、子どもたちをコワ~イ世界へ誘います
また、多くの子どもは怖い話が大好きなので、この絵本の肝試しでは、普段絵本に集中できないお子さんも、怖いもの見たさからか、最後までお話を聞くことができたといった嬉しい声をいただくこともあります。お子さんが絵本を楽しむきっかけとしても、ぜひ試していただきたいイベント(?)です。
さて、そんなちょっぴり怖いおはなし会を開くためには、絵本選びも大切です。ひとくちに怖い絵本といっても、大人も背筋が凍るほど恐ろしいものから、可愛いおばけが登場するものまで色々ありますから、お子さんの年齢や性格を考えながら選んでください。ただし、お子さんが泣き出してしまうほど怖いものを選ぶのはいただけません。絵本そのものが嫌いになってしまってはいけないので、そこはほどほどに。おはなし会は「怖い雰囲気作り」で盛り上げる方がよいでしょう。そんな、怖い読み聞かせにお薦めの絵本をご紹介します。
■くわずにょうぼう
読み進むうちに、少しずつ、少しずつ怖さが増していく語り口は、昔話ならではの面白さ。迫力のある赤羽末吉さんの絵も、怖いのに見ずにはいられない魅力があります。淡々と読み進めるだけで、子どもたちをお話の世界に引き込んでしまう、そんな力のある作品です。いつもは、長いお話がちょっと苦手というお子さんも、きっと身体をこわばらせてお話に集中することでしょう。
■もりのおばけ
森の中で弟とはぐれ、いつのまにかひとりぼっちになってしまった「ぼく」。「おーい」と呼んでみたら、森の奥からおばけが次々にあらわれて……。でも、お話を聞く子どもたちが怖がっているのは、このおばけではないようです。子どもたちは、何が起こるかわからない森そのものに、不思議な気配を感じてドキドキしているように見えます。つまり、子どもたちの想像力が怖さをかきたてているのですね。その意味で、無邪気におばけを怖がる小さなお子さんから、森の不気味さを想像できる小学生まで、それぞれの年齢が感じる怖さで長く楽しむことができる作品です。
■ねないこだれだ
以前にもご紹介した『ねないこだれだ』は、小さなお子さんのための肝試しにうってつけの絵本です。寝ない子はおばけにされてしまうという、子どもにとっては、この上ない怖さがある絵本ですが、作品の結末には、怖いもの見たさの子ども心とその想像力に、恐怖の度合いを決める「自由」が用意されています。怖さを押し売りしないところが魅力ですね。(『ねないこだれだ』をご紹介した記事もご覧ください→1歳の子どもたちに人気の絵本ランキング 第5位)
さて、最後に1つお願いです。もしも、お子さんが、お父さん・お母さんの想像以上に肝試しを怖がってしまったら、絵本の余韻を味わいながらも、最後は少しだけお子さんを日常生活に戻してあげてください。みんなで『おばけなんてないさ』のような楽しい歌を歌ったり、お子さんをギュッと抱きしめたりしてくださいね。必ず「怖かったけど、面白かったね~」で終われるようにしましょう。「また、肝試しをしようね!」 お子さんからそんな言葉が聞ければ、絵本の肝試しは大成功です。