生き生きした泥だんごづくりの様子が伝わってくる『どろだんご』
「どろだんご つくろ すいかみたいに でっかいの つくろだんごむしみたいに ちっちゃいの つくろ ビーだまみたいに ぴかぴかの つくろ」
という歌いたくなるようなリズムのある言葉で始まるこの絵本。人物の顔が出てくるのは、中表紙の子どもたちが座って泥だんごを握っている場面のみ。あとは、とても表情豊かな泥と手の動きで展開していきます。子どもたちの生き生きとした声が聞こえてくるような気さえします。
この絵本に誘われて泥だんごづくり
泥だんごづくり。ぐちゃぐちゃの泥を手に取るときは、ちょっぴりドキドキ。
「泥だんご、一緒に作ろうよ!」と子どもたちを誘い、大喜びされたものの、「土を掘ったらダンゴ虫がウヨウヨ出てくるかな」というところで、まず及び腰な私。土を掘ってボウルに集めたら、まず、土のかたまりをスコップでほぐしながら、雑草や小石を取り除きます。虫さんが見つかったら、子どもたちがすかさず救って取り除きます。じょうろで水を注いで湿らせて、さあいよいよ、手に取ってにぎにぎ。手に泥を載せた時、ひんやりとして気持ちの良い感触が、両手のひらいっぱいに広がり、自然にみんな「気持ちいいね!」。「普段、おにぎりはたくさん握っているんだけどな」などと考えながらひたすら握っていると、手のひらの体温が泥だんごに伝わって、握り方によって手の中で泥が自在に姿を変える様子が伝わってきます。
サラサラの土をかけて固めます。
温もりを感じられ、交流が生まれる泥だんごづくり。形を比べたり、転がしたりし投げたりして丈夫さを競ったり、ツヤツヤ度合いを自慢したり。完成した後も遊びは広がります。
この『どろだんご』の絵本。読み聞かせイベントでご紹介した時には、泥だんごづくりをしたことがないというお母さんたちが興味深そうな表情で見入り、笑顔が広がったのが印象的でした。汚れてもいい格好をして、親子で泥遊びをするお母さんたちの姿が浮かんできました。皆さんも、泥遊びの世界に誘われるかもしれませんよ!