「子どもの貧困」ってどういうこと?
子どもの貧困の改善を図ってほしい!
「子どもの貧困率」とは、一定以下の所得世帯で暮らす18歳未満の子どもの割合を指します。「貧困」はあくまでも相対的なもので、その国で文化的な暮らしを送っていくのに必要な収入がないことを意味します。日本でいう「貧困」に該当する世帯は、「食べられない」というよりも、修学旅行に行けない、学費がなくて子どもを高校や大学に行かせられないなど、「食べていくのがぎりぎり」というイメージです。
経済開発機構(OECD)が作成した基準では、「貧困」の線引きは、年間収入から税金や社会保険料を引いた「可処分所得」(手取りのお金)が中央値(小さい順に並べたときに一番中央となる金額)の50%以下とされています。人並みの所得の半分以下、と言い換えることができるでしょう。
厚生労働省が「国民生活基礎調査(2009年)」をもとに算出した「貧困」の目安は4人世帯で250万円、3人世帯で217万円。貧困世帯にいる18歳未満の子どもは15.7%で、6人に1人という高い割合になっています。ひとり親世帯に至っては、5割超が「貧困」とされています。
子どもの貧困は何が問題?
貧困世帯では、子どもの栄養状態・健康状態に問題がある場合もあります。また、児童虐待やいじめ、不登校、高校中退といった問題につながる傾向もあります。教育の選択がないことや、学習環境が整っていなければ、将来の就職にも不利になり、ひいては「貧困が世代間で連鎖する」状況につながりかねません。
日本は25年前から子どもの貧困大国だった!?
ユニセフがまとめた「世界子供白書2012」の中の「先進国の子どもの貧困報告書」によると、日本の子どもの貧困率はOECD加盟国35カ国では9番目に高く、先進国20カ国では4番目に高くなっています(データは2008年)。先進国で子どもの貧困率が高いTOP3は、アメリカ、スペイン、イタリアで、日本はそれに次いでいます。子どもの貧困率は、「1億総中流」という言葉が飛び交った1988年でも12.9%と高めでした。つまり、既に25年前から子どもの貧困は高かったのです。しかも、改善されずに上昇し現在に至ります。