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自動車よりもコンパクトな超小型モビリティーの可能性

国土交通省によると、超小型モビリティーとは、「自動車よりコンパクトで小回りが利き、環境性能に優れ、地域の手軽な移動の足となる1人~2人乗り程度の車両」と定義づけされています。各メーカーが超小型モビリティーの発表を行なっていますが、この章では、私が注目をしている日産の「ニューモビリティーコンセプト(New Mobility Concept)」についてお話しできればと思います。

中島 徳至

執筆者:中島 徳至

電気自動車ガイド

欧州ではもう走っている! 超小型モビリティーの可能性

(図)日産undefinedニューモビリティーコンセプト

(写真)日産 ニューモビリティーコンセプト

みなさん、超小型モビリティーという言葉を聞いたことがありますか。国土交通省によると、超小型モビリティーとは、「自動車よりコンパクトで小回りが利き、環境性能に優れ、地域の手軽な移動の足となる1人~2人乗り程度の車両」と定義づけされています。

そんな超小型モビリティーですが、ヨーロッパではすでに軽自動車より小さな車で、特別規格で作られるクワドリシクルという自動車が普及しています。ヨーロッパでは、2013年1月まで16歳以上なら無免許でクワドリシクルを運転することができました。また、普通自動車では禁止された区域にもクワドリシクルは進入できるなど、インフラ整備を国がサポートしているのが普及の大きな理由と考えられます。

ヨーロッパで普及する小型自動車のクワドリシクルですが、今後日本でもこのような超小型モビリティーが広がるのも当たり前ではないかと私は考えます。この項では、日本での超小型モビリティの可能性について、お話ししていければと思います。

日本では現在、少子高齢化や二酸化炭素排出の削減などの多くの課題がありますが、その課題解決の可能性を秘めているのがこの超小型モビリティーです。これから到来するであろう、車ありきの社会でなく、社会ありきの車が普及していく新しい時代の中で、超小型モビリティーに対する期待値はとても高いものがあります。

現在個人向けに販売されている超小型モビリティーはほとんどありません。また、その発売日も未定ではありますが、国土交通省でも集約型都市構造化、エネルギーの効率的利用、公共交通の利用促進など、持続可能で低炭素なまちづくりの実現に向けた総合的な取組を行う上で、自動車メーカー各社と共に超小型モビリティーの開発と導入に力を入れています。

国土交通省の取り組み例としては、認定制度と導入促進があります。一般的に車が公道を走行するためには決められた保安基準に適合する必要があります。超小型モビリティーのような車両は本来、公道走行のために国土交通大臣の認定が必要であり、その取得には長い時間がかかると言われていました。

しかし、2012年に公開された認定制度とは、一定の条件を満たした車両に対し、一部の保安基準を緩和し、公道の走行を簡易な手続きで可能とする制度で、これによって超小型モビリティーの導入が比較的簡単になりました。

また2013年度から始まる導入促進としては、地方自治体や観光・流通関係の事業者が主導して、超小型モビリティーの先導導入や試行導入する際に事業計画の実施費用の2分の1(民間事業者等にあたっては3分の1)を補助するといった取り組みが行われています。

国土交通省が積極的な取り組みを行っている中、2011年の東京モーターショーでは自動車メーカーこぞってこの超小型モビリティに相当する車両を出品していました。トヨタのコムス、ホンダのマイクロコミューターコンセプト、ダイハツのピコ、スズキのQ-コンセプトなどが一例です。各メーカーが超小型モビリティーの発表を行なっていますが、私が最近注目しているのは日産の「ニューモビリティーコンセプト(New Mobility Concept)」です。
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