電気自動車はご存じの通り、電気をエネルギーとして動く車であり、走行中にCO2を排出することがありません。そのため、近年問題となっている地球温暖化や、石油枯渇問題を解決するための手段として、大きく注目を浴びています。

しかし一方で、国内での電気自動車の生産が伸び悩む大きな理由の1つが、「運転中に充電が切れるかもしれない」ことです。電気自動車の普及に伴い、充電設備の設置が各地で進んでいるものの、ガソリンスタンドと比較するとまだまだその設置箇所は少ないのが事実です。そのため、今後のEV社会実現に向けて、充電スポットの普及と同時に運転中に充電が切れる懸念点は解決されなければならないと私は考えています。

電気自動車の充電が切れる前の対応としては、主に以下の2点と考えます。
1. 充電切れを予告する注意喚起機能を備え、GPSによる近くの充電スポットへ誘導
2. こまめな充電

そして電気自動車の充電が切れてしまった後の対応として私は、以下の2点が考えられると思っています。
1. 移動式の急速充電車を手配し、車が停車しているその場で充電
2. 充電切れのEVをロードサービスカーにより近くの充電施設へ配送

今回は、その中の一例としてEVに注力している大手自動車メーカーがとる対応と、現在発展している充電切れに対する「移動式急速充電器」と呼ばれる新技術について、お話しさせていただきます。

充電が切れるまでの各メーカーの対応

日産自動車のリーフでは、運転中に充電が切れる前までに、3段階の警告メッセージがモニターに表示されるようになっています。

(図)バッテリー残量通知undefined日産自動車より引用

(図)バッテリー残量通知 日産自動車より引用

1段階目は、充電池の残量が4kw未満になった際に、警告が表示されると同時に、近くの充電スポットの案内が表示されます。次に2段階目は、充電池がその半分の2kw未満になった際に、1段階目と同様、警告表示と近くの充電スポットの案内が表示されます。最後に3段階目は、出力制限走行を意味する「亀さんマーク」が点灯し始め、これがリーフによる、充電が切れる前での最後の警告表示となります。しかしながら3段階の警告メッセージが表示された後でも、自動車が勝手に停止するようなことはありません。日産リーフは、周りの安全を考え、車両は徐々にスピードを低下させ、自動的に停車する仕組みが整っています。

(図)パワーダウン警告灯undefined三菱自動車より引用

(図)パワーダウン警告灯 三菱自動車より引用

また三菱自動車のi-Mievでは、駆動用バッテリーが0になった際にパワーダウン警告灯が表示される仕組みになっています。警告表示後は5km程走行可能であるため、早めに充電をすることで走行不可となることを避けることができます。この警告メッセージが表示された後に停止する際は、日産自動車のリーフと同様に、ソフトウエアの制御が働き、徐々に車両のスピードが低下させ、車両が停車する仕組みとなっています。

充電が切れてからの対応

日産自動車では、電気自動車のリーフが電欠(ガス欠に相当)をおこし、緊急に停車してしまった際に備え、ゼロエミッションサポートというプログラム(有料)を提供しています。この、EVライフをトータルサポートするパッケージが月額1500円で利用でき、EVカーライフサポート、ITサポート、メンテナンスサポート、エマージェンシーサポートと4つの種類のサポートプログラムが提供されています。

その中のエマージェンシーサポートの中にあるレスキューコールを通じて、電気自動車が運転中に充電が切れた場合に備え、万一のトラブルや電欠時にレッカー車などを手配し、最寄りのメンテナンス可能な販売店を案内するなどしています。