外壁を覆う天然石が魚鱗によく似た異人館
神戸市の北野異人館街に建つ異人館の中で最初に公開されたのが、うろこの家です。外壁を覆う天然石のスレートが、魚鱗によく似ているため、「うろこの家」の愛称で呼ばれるようになりました。建物の前に立つと、誰もがネーミングに納得することでしょう。もともとは、1905(明治38)年頃、神戸の旧居留地に外国人向けの高級借家として建設された建物で、大正時代に北野町に移建されました。ドイツ人のハリヤーの住居となったこともあり、旧ハリヤー邸と呼ばれることもあるようですが、やはり愛称の「うろこの家」が、ぴったりです。
館内のインテリアは昔のままで残され、アンティークな家具や置物が数多く並んでいます。デンマーク王室ご用達のロイヤル・コペンハーゲン、イギリス最古の名釜で作られた「ペインテッド・フルーツ」、フランスのマイセンで作られた皿や、カップなどに、ヨーロッパの豊かなデザインが感じられます。アールヌーヴォーのガレやティファニーらのガラス工芸品も見逃すことができません。
併設されるうろこ美術館には、ユトリロの風景画「ミミの家」や、ビュッフェの「アナベラ像」、トロワイヨンの「フォンテンブロー 狩人のいる風景」などが展示されています。専門の美術館にもひけをとらない芸術品揃いです。
さらに、3階の展望室からは、神戸の市街地の先に神戸港の眺望が広がり、絶景スポットにもなっています。
■うろこの家
住所:兵庫県神戸市中央区北野町2-20-4
電話番号:078-242-6530
料金:大人 1000円、小学生以下 300円
営業時間:冬期 9:00~17:00、夏期 9:00~18:00
定休日:年中無休
HP:kobe-ijinkan.net/index.php
※データは記事公開時点のものです。