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「似合う家」プロジェクトが意味するもの

震災後、消費者、とくに女性の「住まい」に対する価値観が変化してきていることを先日書きました。モノから心へ。便利さから安らぎへ。情報社会から人とつながる社会へ。そんな時代の変化を感じさせる異業種コラボレーションが発表されました。生活者・女性視点でレビューします。

河名 紀子

執筆者:河名 紀子

家づくりトレンド情報ガイド

経済成長が終わった時の住まいとは

店舗

1987年に誕生した「キャトル・セゾン」日本第一号店(以下写真すべて提供:ダイワハウス)

「経済成長はいつか終わる。終わった時に本当の豊かさを感じられる家というものを追求していきたい」。住宅業界の記者発表でこういう言葉が聞かれるようになったのも、東日本大震災以降でしょうか。自然を感じながら豊かに住まうお手本・パリの暮らしを日本に紹介してきたキャトル・セゾンの前川睦夫社長(私の部屋リビング」)が会見で話した言葉です。

20-30代の女性に人気のインテリアショップ「キャトル・セゾン」は2012年1月より、ダイワハウスとコラボレーションし、昨年1年で30棟の受注をしてきましたが、この根強い人気を背景にこのほど正式に「メゾン・デ・キャトル・セゾン×ジーヴォ」として木造戸建て商品化に至りました。商品の詳細はWEBを見ていただくとして……。
2012年スタート時のコラボ記事はこちら。

フレンチ

今回加わった「フレンチ・シャビー・コーディネート」テイスト

もともと、フランスのプロヴァンス風外観に、ライトブラウンを基調とした内装デザインを施し、キャトル・セゾンの雑貨やアンティークが似合う住宅商品として展開してきたものですが、今回は内装デザインに、男性や40代以上にも好まれるブラウンを基調とした落ち着いた「フレンチ・シャビー・コーディネートを追加。外観デザインも、漆喰の外壁にアイアン飾りやフラワーボックスといったアクセントを加えた「エレガントスタイル」もバリエーションに加わりました。

外観

これまでの「フレンチスタイル」に加えられた「エレガントスタイル」の外観

キャトル・セゾンは1968年、フランス・パリで創業したインテリアショップ。名前は「四季」という意味で、古い俗語では「八百屋」を指し、現在パリでは営業していないものの、その店の精神は日本に引き継がれ、1987年に東京・自由が丘を皮切りに22店舗を現在展開しています。

1987年といえばすでに四半世紀。その間、流行に流されることなく根強い人気を集めてこられたのは、単にパリの可愛い雑貨屋さん的存在にとどまらず、名前のとおり常に「四季折々の自然を感じながら、豊かに住まうパリの暮らしを提案したい」という普遍的なテーマがあったからなのでしょう。

今だから通じる? キャトル・セゾン理念

カタログ

キャトル・セゾンのカタログ。今も20-30代女性からの支持は厚い

キャトル・セゾンの理念は現在、そして今後の住宅業界にも参考になるところがありそうなので、簡単に紹介してみます。

1.フランス・パリと日本との生活文化の融合
2.流行や既成の価値観に捉われない自由なスタイル
3.幅広い年代がパリへ憧れるところの優しさ、美しさ、楽しさ、驚き。「大切な人を自宅に招く」ような温かさと安心感。
4.新鮮でいて、同時に現代の暮らしになじみ、使い込むほどに輝きを増す生活用品

次ページでは今回のもう一つのコラボについても見ていきましょう。
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