相場の変動に対応するためには?
ブレない投資力をつける
高頻度取引のせいか、近年は金融マーケットにおける変動性(ボラティリティ)が高まっています。特段のニュースやイベントがあったワケでもないのに、株価や為替レートが急変することが繰り返されました。「荒れる相場」などともいわれています。
体幹力を作る3つのコア
今のような外部環境においては、ブレない力が投資の成果を産み出します。ブレる人は、右往左往、一喜一憂して、つまらないミスをして自滅してしまいます。かといって、ブレる人に、意思を強く持て!とか情報に惑わされるな!と精神論をいっても、できないことはできません。トレーニングしていなければ筋力がつかないのですから、根性だけで重いバーベルを上げることは不可能なのと一緒です。そこで、ブレない力をつけるには、体幹力が必要です。投資における体幹力は、次の3つの要因でできています。それは、歴史観、世界観、お金哲学です。体幹力をつけるためには、この3点を鍛えることが重要なのです。
体幹力を支える歴史観
歴史観というと大げさかもしれませんが、私たち人類の歴史を本音でどう思っているかということです。たとえば、私なら人間の歴史を次のように受け止めています。
「人間は努力をしながら発展してより良き社会を作ってきた。戦争、犯罪、差別、搾取などの問題は今も無くなってはいないが、どんな時代にもそれを乗り越えるための努力が積み重ねられて、前進を続けている。これからも悲惨な出来事が起こるかもしれないが、そのたびに、人は知恵をつけ、連帯を築き、勇気をつないで挑戦をやめない動物なのだ」
人それぞれの歴史観があっていいと思いますが、どんな見解であっても、そこには信じる力と願う力が必要です。そして、自分の歴史観にマッチする投資方法を選んだらいいのです。もし矛盾していることを考えていたら、投資の未来はまったく輝きません。
どんな歴史観があってもいいとはいいいましたが、「人類は破滅に向っている」、「大破局が来て大恐慌が常態化する」などと思っているのでしたら、投資どころではありません。投資なんかよりも、その恐怖から自分を守るための準備と行動を取ることをおススメします。
体幹力を支える世界観
世界観は、現在の世界がどんな法則で回っているかという捉え方の問題です。たとえば、私はこう考えています。
「現代はアメリカが世界をリードしている。アメリカの強さは、革新力、人口増加、多民族性にあり、それにシェールガス革命による資源力が加わった。世界は、アメリカの一極支配から、新興国を加えた多極化へ移る過程にはあるが、アメリカを猛追するようなスーパー国家はまだ見当たらない」
世界観においても、人それぞれでいいのです。「東アジアがこれからの世界をリードしていく」とか、「軍事力のバランスが世界の調和を作っている」とかでもいいのです。ただし、それに符合した投資戦略を持っていることが大事です。
それでもやはり、極端な悲観論であったのなら(「世界は闇の権力者に支配されている」など)、投資などしている場合ではありません。すぐにでも田舎に戻って自給自足の生活圏を作るべきです。
体幹力を支えるお金哲学
お金哲学とは、その人の金銭感覚です。お金とは何で?お金を使って実現したいことは何で?お金では実現できないことは何なのか?という当たりの感覚です。ここがしっかりしていないと、お金をめぐる恐怖と欲望に振り回されることになりかねません。私は、次のようなお金哲学を身に付けました。
「お金とは感情を測るための媒体であって、それ自体は無色中立である。お金で実現したいことの大きさに合わせて、増やす価値があるのだ。投資でお金を増やすことは素晴しいことだが、お金を生み出す自分自身にする投資が最高の投資だ。自分が働いて稼ぐこと、お金を働かせて稼ぐこと、このバランスが人生の質を決める」
お金哲学も十人十色でかまいません。どんな思考であっても、目的と終了時間がはっきりしていることが必要です。それがあなたの投資戦略の軸となります。
ただし、「お金がすべて」、「お金さえあれば幸せになれる」みたいな拝金主義のまま投資をすると、あとでとっても辛いことになりかねません。間違いないことは、お金は目的ではなく、何かを実現するための手段であるということです。そうわきまえられる人だけが投資で報われる資格があります。
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