早期退職で年金額が減るって本当?

残念ながら、早期退職で年金額が減る可能性があるのは本当です。というのも、年金額はあくまで、年金をもらい始めるまでの平均の給料と加入月数によって決まるからです。

早期退職で年金額は減るものの、大きく変動することは少ない

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早期退職により、確実に加入月数は縮まるわけですから、年金は多少減ってしまうのは仕組み上しかたがないといえます。ただし、1~2年程度早期退職したからといって、大幅に年金額が減少してしまうのは考えにくいところです。

早期退職をしても年金は安心なの?

上でご説明したとおり、年金加入期間の多少の変動で年金額が大きく変わる事例はそれほど多くはありません。しかし、多額の年金が受け取れなくなる事例もあります。

先日、年金相談窓口に、サラリーマンの男性がやってきました。生まれは昭和34年3月。高校を卒業後、現在の会社に入社し、そのまま勤め上げてきたとのことでした。

相談内容は、会社で早期退職の募集があったので応じるべきかということでした。この相談を、年金という面から考えてみましょう。

高卒後59歳まで勤め退職した場合、40年間厚生年金に加入したことになります。早期退職の条件は、60歳までの給料の保障+退職金を200万円上積みとのことでした。

男性の場合、年金の支給開始年齢は63歳。早期退職に応じると3年以上もの空白期間が生じることになります。

厚生年金に長期間加入していた人は要注意

ところで厚生年金には、44年加入したうえで厚生年金の資格を喪失すれば、本来受給できない定額部分が受給できるという特例(長期加入者の特例)があります。

男性の会社は、本来希望すれば65歳まで勤務できるとのこと。男性は特例該当まであと4年、63歳まで勤務し、退職すればよいことになります。この定額部分は現在の金額で年間約78万円。受給開始時に特例に該当している(44年加入+厚生年金資格喪失)とすると、これが65歳まで2年間受給できることになります。すると、78万円×2年=156万円となります。

しかし、これだけではないのです。早期退職によってさらに年金をもらい損ねる場合もあります。

特例に該当すると、さらに加算がつくケースも

実は、定額部分のほかに、さらに加算がつく可能性があるのです。

相談者の奥様は2歳年下とのこと。結婚前は会社勤めをしていましたが、結婚後はパート程度で専業主婦の期間が長かったとのことでした。

すると、男性の年金には、年額約39万円が特例該当時から加算される(加給年金額)ことになります。そうすると、合計では(78万円+39万円)×2年で、234万円を受け取ることができるのです。退職金の上乗せを上回る金額になりますね。早期退職に応じた場合、当然この金額はもらえないという結果となります。

年金受給開始までをどう乗り切るかが問題

問題は年金だけではありません。この事例では、60歳から63歳までの収入をどうするのかが一番大きな問題となります。早期退職に応じた場合、雇用保険は会社都合での退職となると思われますので、330日(20年以上勤務した45歳以上60歳未満の場合)受給できますが、そのあとは個人年金等の備えがなければ退職金や貯蓄の取り崩しでしのがなくてはなりません。

別の職場に就職することはできるかもしれませんが、現在の待遇で再就職ができるとは限りません。厚生年金に加入できれば長期特例該当の可能性もありますが、ブランクがあれば特例該当はもちろん遅くなりますし、厚生年金に加入する条件での就職に失敗した場合のリスクを負うことになります。

年金を繰上げ受給するという選択肢もとれなくはありませんが、年金が生涯減額されてしまいますし、仮に再就職に成功しても長期特例には該当しなくなってしまいます。

早期退職に応じず、63歳まで勤務し、そこで退職すればそこまでの給与もあり、年金も多くもらえるのです。あとは、早期退職に応じなかった場合の今後の待遇や、再就職の見込み、生活費のやりくりなどを考えて総合判断を下すことになると思われます。男性はこの話を聞き、もう一度よく検討するとのことでした。

厚生年金の加入期間の長さには、もう一つ壁がある

上の事例で「加給年金額」の話が出てきましたが、これはごく一部の例外を除いて、厚生年金を20年以上かけていないと加算されることはありません。なので、もう少しで20年という人も、早期退職は条件によっては損をしてしまうこともありますので、注意しましょう。

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