関西進出! 「クイントカント」

ダイビル本館

「ダイビル本館」の入口

旧「ダイビル本館」を一度でも間近に見たことがある方は、このレトロビルの重厚な佇まいや外壁・内部天井の巧緻な彫塑が目に焼き付いているに違いありません。
大正14年(1925年)に中之島の北側を流れる堂島川畔の田蓑橋のたもとに「大阪ビルヂング」として竣工したこのビルが、建て替えられてしまうと数年前に聞いた時には、「この類稀なる歴史遺産がとうとうなくなってしまうのか」と思い、名残りを惜しみにわざわざ出掛けたほどですが、今年(2013年)2月に完成した新「ダイビル本館」は、22階建てのガラス張りビルの低層階に旧本館が見事に復元・保存されており、これを間近で見た時には思わず「ありがとう!」と安堵の声を上げましたね(ダイビル本館再開発の関係者の方々にはこの場を借りて御礼を申し上げます)。
クイントカント

「クイントカント」の外観

そして、そのダイビル本館の低層階の1階と2階に2013年7月初旬、計11店のレストランやショップが開業しました。本日ご紹介するのは、その中でも1階の北西角に、田蓑橋に向かってドアを開放するイタリア料理「QUINTOCANTO(クイントカント)」です。「QUINTOCANTO」とはイタリア語で「5番目の角」。なぜ5番目かといいますと、横浜・東京でいずれも予約の取りにくい4軒のリストランテを展開するサローネグループが、初めて方角の違う関西に出店した第5番目の店だという意味が込められているのです。
QUINTOCANTO

「クイントカント」の内装

店内は白とグレーのマーブルの壁と床、全部で24席のソファー席と椅子席も全て真っ白な皮張り、とゲストを引き立てる心憎いカラースキームの店内です。着席すると、窓の向こうに堂島川べりの木々のそよぎが心地よく、また窓と対面する壁の、目線から上がオール鏡張りになっているので、窓に背を向けたゲストも外の景色を楽しめるよう工夫されているのです。

クイントカントのコンセプト

ワイン

自然派ワインも充実

サローネといえばイタリアの伝統料理を再構築した「クチーナ・クレアティーヴァ」が基本コンセプトですが、クイントカントではさらに大阪という地を活かして関西近郊の食材を多用する「地産地」も併せたダブルコンセプト。

また、単なるサローネの大阪店ではなく、本店の「サローネ2007」を超えるのはもちろん、目指すは「日本一のリストランテ」との意気込み。何とも心強いことです。

さて、その大阪本店とも言うべきクインカントの布陣ですが、まずはサービス・支配人に藤巻一臣さん(2015年現在は関東に戻られています)。関東のレストランシーンでは知らない人はいないほどの人気と知名度を誇る、自然派ワインを愛するベテラン(個性派)サービスマンです。

そしてグランシェフには、若き俊英、弓削啓太シェフ。九州(佐賀県)出身の元甲子園球児ということで、元気・根性・スピードと三拍子揃った実力派ルーキー。サローネグループの「イル・テアトリーノ(南青山)」でスーシェフを務める前までは、フレンチの道を歩んでこられており、その経歴も「シェ・イノ」で4年間、フランスでは「ギイ・サヴォワ」で修行されてきたとのことで、実力(基礎力)の高さも折り紙付き。

そして2016年春からはもう1人、2013年のオープン時からスーシェフをされていた岡田卓也さんがヘッドシェフに就任され、新たにダブルシェフ体制となっています。

「イル・テアトリーノ」で培ったクリエイティヴなイタリア料理をベースに、フレンチのテクニックと、関西近郊の素晴らしき食材を駆使した大阪発「クチーナ・クレアティーヴァ」は、サローネ2007本店のみならず、今までの関西……いや、日本でも最先端のイタリアンになりえると言えるでしょう。

それでは、ディナーコースから料理を御紹介していきます。