関西進出! 「クイントカント」
「ダイビル本館」の入口
大正14年(1925年)に中之島の北側を流れる堂島川畔の田蓑橋のたもとに「大阪ビルヂング」として竣工したこのビルが、建て替えられてしまうと数年前に聞いた時には、「この類稀なる歴史遺産がとうとうなくなってしまうのか」と思い、名残りを惜しみにわざわざ出掛けたほどですが、今年(2013年)2月に完成した新「ダイビル本館」は、22階建てのガラス張りビルの低層階に旧本館が見事に復元・保存されており、これを間近で見た時には思わず「ありがとう!」と安堵の声を上げましたね(ダイビル本館再開発の関係者の方々にはこの場を借りて御礼を申し上げます)。
「クイントカント」の外観
「クイントカント」の内装
クイントカントのコンセプト
自然派ワインも充実
また、単なるサローネの大阪店ではなく、本店の「サローネ2007」を超えるのはもちろん、目指すは「日本一のリストランテ」との意気込み。何とも心強いことです。
さて、その大阪本店とも言うべきクインカントの布陣ですが、まずはサービス・支配人に藤巻一臣さん(2015年現在は関東に戻られています)。関東のレストランシーンでは知らない人はいないほどの人気と知名度を誇る、自然派ワインを愛するベテラン(個性派)サービスマンです。
そしてグランシェフには、若き俊英、弓削啓太シェフ。九州(佐賀県)出身の元甲子園球児ということで、元気・根性・スピードと三拍子揃った実力派ルーキー。サローネグループの「イル・テアトリーノ(南青山)」でスーシェフを務める前までは、フレンチの道を歩んでこられており、その経歴も「シェ・イノ」で4年間、フランスでは「ギイ・サヴォワ」で修行されてきたとのことで、実力(基礎力)の高さも折り紙付き。
そして2016年春からはもう1人、2013年のオープン時からスーシェフをされていた岡田卓也さんがヘッドシェフに就任され、新たにダブルシェフ体制となっています。
「イル・テアトリーノ」で培ったクリエイティヴなイタリア料理をベースに、フレンチのテクニックと、関西近郊の素晴らしき食材を駆使した大阪発「クチーナ・クレアティーヴァ」は、サローネ2007本店のみならず、今までの関西……いや、日本でも最先端のイタリアンになりえると言えるでしょう。
それでは、ディナーコースから料理を御紹介していきます。